アゴ出汁の「アゴ」って何のこと?
更新日:2020/02/18
アゴ出汁とは、飛魚(トビウオ)の煮干しからとった出汁のことだ。
トビウオは日本海側では「アゴ」と呼ばれ、竹輪(あごちくわ)や蒲鉾の材料に使われる。
またトビウオを干したアゴ干しや、焼いて干した焼き干しなどを、料理の出汁として使う。
太平洋側では鰹節で出汁を取り、日本海側ではトビウオの煮干しから採ったアゴ出汁を使うというイメージだ。
因みに太平洋側でもトビウオは採れるし、八丈島のくさやの材料に使われたりする。
アゴ(トビウオ)とは?
トビウオとは、胸びれが発達して、羽根のような大きな胸びれを持つ魚だ。
マグロなどの大型魚から逃げるため、この胸びれを使って、海上を100メートル以上も滑空するという。
大きさは30センチちょっとで、三角柱のような形をしている。
トビウオは回遊魚で、初夏に北上して日本近海で産卵し、秋頃に南下する。
日本海側では、練り物の材料や出汁をとるための煮干しになるが、刺身にして食べることも多い。
アゴの刺身
アゴ出汁を使った料理のいろいろ
アゴ出汁を使った料理もいろいろある。
たとえば九州の長崎の五島うどんは、アゴ出汁で出汁を取ったうどんだ。
また東北の秋田県の酒田ラーメンは、アゴ出汁が主流だという。
山陰地方(島根・鳥取)では、トビウオを使った練り物が名産品で、アゴ竹輪やアゴ蒲鉾が有名だ。
日本海側では、そうしてトビウオの煮干しから取った出汁で味噌汁を作ったり、煮物をしたりする。
近年は、アゴ出汁の素が福岡周辺のメーカーから発売され、人気も高まっている。
またトビウオの卵は「トビッコ」と呼ばれ、寿司ネタや珍味として使われる。
トビッコの軍艦巻きや、カリフォルニアロールの外側に、トビッコをくっつけた寿司などがある。