鰹節と花かつおって、何が違うの
更新日:2020/03/09
花かつおと鰹節、何が違うのか気になった。
花かつおって鰹節を削った物だと思っていたが、なんか味の深みが違う。
調べて見ると、同じような物ではあるが、微妙に違うらしい。
ということでまず、鰹節の製造工程から見ていこう。
鰹節はまず、海から獲ってきたマガツオを三枚に下ろし、背中側と腹側に切り分ける。
これを「生切り」(なまぎり)と呼ぶ。
このとき、船の形に整えるのだが、これを「節(ぶし)」と呼ぶ。
一般的に、棒状の物のふくらんだ部分のことを「節」と呼ぶのだが、鰹節の船の形って確かにふくらんでいる様にも見えるね。
これが転じてか、魚の身を煮て干して乾燥させた物を、一般的に「節」(ふし)と呼ぶ。
花かつおは、鰹節を削ったものではない
生切りしたカツオを、大きな鉄製のカゴに入れて、熱湯につけて煮る。
煮崩れしないように温度管理をしつつ、100分くらい煮る。
そのあと、カゴを引き上げて冷まし、皮やウロコ、骨などを取り除く。
この状態を「なまり節」(生節・生利節)と呼び、これも食用にする。
なまり節は、初鰹と同じく初夏の食べ物で、風物詩だ。
なまり節
なまり節を燻蒸して乾かした物が、荒節(あらぶし)だ。
楢の木や椎の木のチップを燃やして、その煙で乾燥させていく。
これを何度か繰り返すことによって荒節になるのだが、だいたいここまでに1ヶ月くらいかかる。
そして荒節を薄く削ったのが、花かつおになる。
花かつお
荒節はまだ魚臭さが強く、味も薄い。
因みに、荒節は未完成の鰹節だから、花かつおは鰹節とは言えない。
花かつおの原材料は鰹節ではなく、かつおで、「かつお・ふし」とか「かつお削り節」と書かれているのは、そういう理由だ。
もちろん広い意味では、鰹節と言っても良いだろうけど。
枯れ節と本枯れ節 本物の鰹節
荒節は、カツオを船型の「節」に切り、煮た後で煙で燻して、一ヶ月くらい乾燥させる。
荒節を削った物が花かつおで、荒節の表面を削り天日干ししてからカビを付けて作るのが「枯節」(かれぶし)だ。
表面にカビを付けた荒節は、閉め切った部屋に入れてカビを繁殖させる。
カビがびっしり生えてしばらくしたら、カビを取り除いて天日干しをする。
天日干しの後に、またカビ菌を吹き付けてカビを生やす。
これを何度も繰り返すことによって、荒節から水分が抜けて熟成が進む。
これを2回程度繰り返したものが本節で、枯節(かれぶし)とも呼ぶ。
さらに数回繰り返して、カビも生えなくなってしまった物が、本枯節だ。
枯節を作るのには、最低三ヶ月かかるし、本枯節は半年以上かかる。
本枯節は、叩くと金属のような音がするくらいカチカチに乾燥しており、鰹節削り器でないと削れない。
本枯節と鰹節削り器
鰹節の削り方 鰹節削り器の使い方
鰹節は、鰹節削り器で削る。
まずカンナ刃を木槌で調整して、0.1ミリ程度刃を出す。
次に鰹節を濡れた布巾などで拭いて、表面についているカビを取る。
鰹節は頭の方から削るのだが、皮がついた方を上にして持って削る。
鰹節削り器の使い方 動画
鰹節の仲間と豆知識 通販
鰹節の仲間に、宗田節や鯖節(サバ節)、マグロ節、アジ節などがある。
宗田節は、ソウダガツオ(メジカ)と呼ばれる魚を使った鰹節で、プロが使う節だ。
鯖節はゴマサバで作った鰹節で、アジ節はムロアジで作った鰹節だ。
それぞれ違った特徴があるため、和食の料理人は複数の節を組み合わせて使ったりする。
一方、鰹節は、燻蒸して作るため、ベンゾピレンを含む多環芳香族炭化水素(PAHs)を多く含んでいる。
これは有害物質であるため、ヨーロッパでは鰹節の輸入を認められていないことも多い。
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