甘口醤油とは
更新日:2020/02/11
甘口醤油(あまくち)は、甘い醤油のことだ。
福岡を中心とした九州地域では、醤油と言えば甘口醤油だという。
醤油は元々、大豆から味噌を造るときに出る「たまり醤油」がルーツで、塩辛いのが普通だ。
ところが九州では甘い醤油が作られ、それが一般化している。
正月の焼き餅につける、甘辛い砂糖醤油のような醤油が、九州地域のスタンダードな醤油と言うことらしい。
ごぼ天うどん
ゴボウのささがきを天ぷらにしたものが入っている九州うどん。
醤油の地域差 水と食べ物によって醤油の味は変わる
なぜ九州地域の醤油が甘いのか、これには諸説ある。
九州南部では、サトウキビ栽培が可能で、砂糖が手に入りやすかったという説もある。
ただ甘みとしては水飴や甘酒もあって、うすくち醤油には水飴や甘酒も加えたりする。
なので砂糖が手に入りやすいからと言って、醤油を甘口にする理由としては弱い。
ただ醤油というのは、地域ごとに味が違っていて、ご当地醤油がある。
醤油の味は、その地域で取れる穀物や魚介類、水質などによって変わるという。
たとえば江戸時代、江戸の水は多摩川から引いた。
いわゆる「用水」だが、江戸の用水の水は炭酸カルシウム濃度が高い。
多摩川の上流の山地は石灰岩質なので、上流で強い雨が降ると今でも用水の水が白濁するという。
こういう水だと出汁が出にくいから、宗田節(鰹節)でガッツリ出汁を取る。
そしてそれに負けない醤油を使うとすると、濃い味の醤油が必要になる。
その結果、濃口醤油が普及したという。
濃口醤油の誕生で、それまで油っぽくて捨てられていたマグロのトロも、食べられるようになったと言うから、食文化への影響は大きい。
一方、うすくち醤油が誕生した近畿地方では軟水が多く、昆布や煮干し、シイタケなどで出汁を取ることが多かった。
そこで淡い味の邪魔をしない、うすくち醤油が作られた。
一方、北陸などでは魚がたくさん獲れたため、魚料理に合う甘めの醤油が好まれた。
北陸では、うすくち醤油も使われるが、魚料理には甘口醤油が使われるらしい。
博多も新鮮な魚を食べる機会が多く、やはり甘口醤油がピッタリだったという事かも知れない。
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