淡口醤油(うすくち)って、何?
更新日:2021/02/21
淡口醤油(うすくち)とは、近畿地方で広く使われる醤油だ。
関西うどんの出し汁は、黄色い澄んだ色をしている。
これは、うすくち醤油を使っているからだ。
関西では普通の醤油(濃口醤油)と、うすくち醤油の両方を使っているが、うすくち醤油は、素材の味を引き出す時に使う。。
季節の味覚だとか、淡い味わいがある旬の食材などを煮るには、うすくち醤油のような主張が小さな調味料の方が良いと言うことらしい。
そのため、関西うどんでは、昆布出汁をベースに、鰹節、煮干しやさば節、シイタケなどから出汁を取る。
関西地域の水質は、ミネラル分の少ない軟水なので、淡い味わいの出汁を取りやすい。
こういう淡い出汁の場合、濃口醤油を使うと主張が強すぎる。
関東のうどんと、関西のうどん 色の差は醤油と水の違い
関西では、うどんの出し汁に、うすくち醤油を使う。
そのため黄色くて、丼の底も見えそうな透き通った出し汁になっている。
一方、関東うどんの出し汁は黒褐色で、まさに「濃口醤油」の色だ。
関西人の私の目からすると、黒褐色の液体の中に白いうどんが漂っているのをみると、ちょっとギョッとする。
関東のうどん
関東では硬水の地域が多くて、昆布やシイタケなどの繊細な出汁を取るのに適した水が少ない。
ミネラル分の多い硬水でも、しっかり出汁が出るような強い味の鰹節の枯れ節、宗田節が使われる。
こういう強い出汁(というか、ツユ)に味を付けるには、濃口醤油の方が適している。
そのため、関東うどんは、鰹節ガツン、醤油味ガツン、という感じの味になったらしい。
と言っても近年は、関東のうどん屋さんでも、そんなに真っ黒いうどんは無くなったような気がする。
丸亀製麺や、はなまるうどんといった、西日本系のチェーン店が広まったこともあるだろう。
うすくち醤油と言えば、ヒガシマル醤油!
ヒガシマル醤油は、関西や西日本ではメジャーな醤油メーカーだ。
ヒガシマル醤油の本拠地は、うすくち醤油の発祥の地、兵庫県たつの市で、たつの(龍野)地域は、「揖保乃糸」(いぼのいと)で知られる手延べ素麺の産地でもある。
ヒガシマルの社名の由来は、揖保川(いぼがわ)の東側に位置していて、丸に東のマークを使っていることに由来する。
うすくち醤油は、醤油もろみに米を混ぜて大量生産することに成功した醤油だ。
塩分を濃いめにして、醤油もろみの発酵や熟成を押さえて、淡い色と淡い香りを実現した。
これによって、野菜や芋などの煮物の色を損なわず、繊細な味や香りを潰さない醤油ができた。
ただ関東のスーパーでは、ヒガシマル醤油はまず置いていないし、うすくち醤油が1種類あれば上出来な方だ。
なの知名度は、「うどんスープの素」や「ちょっと雑炊の素」が知られている程度だ。
日本全国で見ても、消費量は濃口醤油が8割で、淡口醤油は13%くらいらしい。
なので、うすくち醤油を主力としているヒガシマル醤油は、関東では非常にマイナーで、関西人としてはちょっと残念だ。
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