ご当地ラーメン 中部・近畿記事一覧

「寿がきや」は、愛知県名古屋市を本拠とする飲食店チェーンだ。寿がきやラーメンは、愛知のソウルフードとも呼ばれる大衆食で、ショッピングセンターには必ずというほど出店されている。寿がきやでは、ソフトクリームやあんみつなどのスイーツと、ラーメンや炊き込みご飯が併売されている。ソフトクリームとラーメンのセットがあるなんて、普通のラーメンチェーン店ではあり得ない組み合わせだが、これには理由がある。というのも...

台湾ラーメンは、名古屋地域で人気のある、辛いラーメンだ。名古屋のある「味仙」(みせん)という台湾料理屋で生まれた、名古屋発祥のラーメンだ。味山の店主が、出身地の台南(台湾南部の都市)に帰省したときに食べた台南名物の担仔麺(タンツーメン、ターミー)を、友人が気に入り、それを再現しようとして生まれた。タンツー麺は、小さな丼に麺と豚そぼろ等を入れたシンプルなモノだが、独特の風味があって、再現が難しい。そ...

富山ブラックは、富山市にある「大喜」発祥のラーメンだ。富山ブラックは、肉体労働者向けの濃厚なラーメンで、醤油が濃く、黒いスープが特徴だ。塩分濃度が高く、チャーシューやネギが山盛りになっているが、これは「ご飯のおかず」という位置づけらしい。というのも昭和の富山では、肉体労働者が弁当箱に白飯だけ詰めて昼飯を食べに来る事が多かったらしい。そのため肉体労働者向けのラーメン店では、ご飯持ち込みを前提とした料...

ローメンは、長野県伊那市のご当地麺だ。マトン(羊肉)とキャベツ、キクラゲ等の野菜を使い、ソースで味付けをする。ラーメンと言うよりソース焼きそば系で、船橋ソースラーメンに近いかも知れない。長野県伊那市で、なぜマトン?と思うが、実はこの地域では羊毛生産が盛んだった時代があり、その名残りらしい。羊肉を使うなら、マトンより臭みのないラムやホゲットを使えば良さそうだが、羊毛生産のために羊を飼っていたからマト...

京都はラーメンの激戦区だ。四条河原町界隈のみならず、左京区の銀閣寺や一乗寺周辺も、様々なラーメン店がひしめき合っている。京都というと関西であるし、昆布と鰹節の出汁を用いた薄味のラーメンをイメージするかも知れない。しかし京都発祥のラーメンチェーンをみていくと、それは京都以外の地域から見た勝手な「京風イメージ」だとわかる。たとえば「天下一品ラーメン」は、左京区北白川(一乗寺)に本店があるが、鶏ガラ白濁...

天下一品は、京都発祥のラーメンチェーンだ。鶏ガラベースに十数種類の野菜を煮込んだ、ドロドロスープが唯一無二で、今や東京でも食べられる。私も大学で京都に行って初めて食べたときは、とんでもなく驚いた。なにしろ「箸が立つ」くらいの濃さで、テーブルに置いてある九条ネギを山ほどぶち込まねば食べ切れなかった。現在は「こってり」ラーメンだけでなく、「あっさり」や、こってりとあっさりの中間的な「こっさり」「あいが...

ますたには、背脂鶏ガラ醤油ラーメンの元祖と呼ばれるラーメン店だ。京都ラーメンと言えば、新福菜館の豚骨ベースの醤油ラーメンとか、天下一品の鶏ガラベースのこってり系などがあるが、背脂チャッチャ系と呼ばれる、醤油ラーメンに背脂をたっぷり散らしたタイプもある。その元祖と呼ばれるのが、この「ますたに」だ。ところが、ますたにのお店は、本当に小さなお店だ。京都市左京区の銀閣寺道の疏水沿いにあり、メニューもラーメ...

新福菜館(しんぷくさいかん)も、有名なラーメンだ。京都ラーメンの老舗であり、JR京都駅近くに本店がある。のれん分けの形で新福菜館を名乗る店がたくさんあり、東京にも出店している。鶏ガラと豚骨から取った出汁に濃口醤油をガッツリ合わせた黒いスープが特徴で、京都の九条ネギが彩りを添える。茶色い「焼き飯」とセットで食べるのが、新福菜館の王道メニューだ。通常ラーメンでも煮豚チャーシューが数枚乗っており、山ほど...

第一旭(だいいちあさひ)は、京都のラーメンチェーン店だ。豚骨ベースの醤油ラーメンで、朝から食べられる美味しいラーメンだ。第一旭では、暖簾分けの形で拡がっていて、大阪や神戸などにも第一旭を名乗るラーメン店がある。近年は東京にも進出しているようだ。本家第一旭本店は、JR京都駅近くで、なんと新福菜館の本店の隣にあり、仲良く朝早くから店を開けて、大勢のラーメンファンを集めている。

魁力屋(かいりきや)は、京都北白川ラーメンを名乗るラーメンだ。2005年に誕生した比較的新しいラーメン店だが、なんと2020年には100店舗を超えている。わずか創業以来15年で100店舗を超える、急拡大のチェーン店だ。魁力屋ラーメンは、中細ストレート麺を使用し、背脂を散らした醤油ラーメンで、九条ネギ乗せ放題が特徴。餃子などのサイドメニューも充実していて、ラーメンを食べなくても十分満足できる。でも、...

ラーメン横綱は、京都南区吉祥院(きっしょういん)で営業していた屋台がルーツのラーメンチェーン店だ。ラーメン自体は豚骨ベースの醤油ラーメンだが、味噌トンコツラーメンや辛味噌ラーメン、鉄板チャーハンなど、バリエーションも豊富だ。店舗では「青ネギ入れ放題」サービスがあり、おろしニンニクやニンニク唐辛子(ニントン)で自由に味変できる。これは天下一品など他の京都ラーメンとも共通していて、お客さんが自分の好み...

天天有(てんてんゆう)は、京都市左京区一乗寺発祥のラーメン店だ。鶏白湯スープが特徴で、何とも言えない滋味がある。私も学生時代、なんどか友達に連れられて天天有に食べに行ったが、ジンワリと身体が温まり、疲れが取れるような不思議な感覚に陥った。現在は代替わりしたり、フランチャイズ店もあったり、通販もあったりして、昔の味と微妙に変化しているようだが、未だに人気が高いようだ。天天有のある一乗寺(いちじょうじ...

近江ちゃんぽんは、滋賀県の「麺類をかべ」が作り出した滋賀のちゃんぽんだ。麺類をかべは、「ちゃんぽん亭総本家」と名前を変え、全国に近江ちゃんぽんを広めている。新鮮な野菜と豚肉を煮ているのは長崎ちゃんぽんと同じだが、スープは全然違う。長崎ちゃんぽんは、豚骨系の白いスープだが、近江ちゃんぽんは、和風だしで全く風味が異なる。また、近江ちゃんぽんは、辛味噌をつかった辛いタイプもある。

金龍ラーメンは、大阪道頓堀の人気ラーメン店だ。金龍ラーメンは「早くて美味くて安い」ラーメンで、非常に回転率が高い。細麺なので、食券を買って、ニラやキムチのトッピングを皿に取っている間にラーメンが出てくる。それを受け取って、好きな座席に持っていって食べるというセルフスタイルだ。味はあっさりトンコツと呼ばれるライトな味だ。しかし自由にキムチやニラやおろしニンニクを追加して、自分なりの味を作ることが出来...

どうとんぼり神座(かむくら)は、大阪発祥のラーメン店だ。大阪道頓堀から大阪南部に店を増やし、東京の渋谷や新宿にも店舗がある。白菜と豚バラを煮た醤油味のスープが独特で、「3回食べたら病みつきになる」とCMしている。実際、白菜を入れたスープは病みつきで、私も家でインスタントラーメンを作るときに白菜を入れるようになった。神座の独特のスープは、フランス料理のシェフだった創業者が1年の歳月を費やして生み出し...

天理(てんり)ラーメンは、奈良県天理市を中心とした地域で食べられているスタミナラーメンだ。豚骨と鶏ガラを使った濃厚醤油味スープが特徴で、白菜・豚肉・ニラなどを具材に使う。唐辛子を使ったピリ辛ラーメンで、天理大学などの学生さん向けに作られたという。

播州(ばんしゅう)ラーメンは、甘さが特徴の醤油ラーメンだ。トッピングはネギとモヤシとチャーシューのみのシンプルなラーメンだが、甘い。播州ラーメンの「播州」とは兵庫県西脇市周辺の地域のことで、神戸から車で1時間ほど内陸部にある。この地域では「播州織り」が有名で、かつて集団就職でやってきた女工さん(女子工員)の口に合うように、タマネギや林檎などで甘みをつけたラーメンが誕生したという。播州は、うすくち醤...