和牛

和牛(わぎゅう)というのは、日本の牛ではない。

 

明治時代以降に日本で品種改良された、ほぼ外国の牛のことだ。

 

日本に古来からいた在来種の血も混じっているが、どれくらい在来種の血を引いているのかは、殆ど分からない。

 

なぜかというと、日本に古来からいた牛の血統は、殆ど絶えてしまっているからだ。

 

日本で飼育されていた牛というのは、食用として買われていたわけではない。

 

日本の在来種は、牛耕(ぎゅうこう:土地を耕す)のための使役牛で、牛乳すら搾らない牛だから、食用に適しているわけでもない。

 

そのため、農業で機械化が進むにつれて、利用価値が失われ、廃れていった。

 

血統が絶えてしまっていると、在来種の遺伝子を調べるのが難しいから、どれくらいの割合なのか、殆ど分からない。

 

なので、良くてハーフくらいなもので、もしかすると日本古来からの牛の血はゼロかも知れない。

 

この辺りは、地鶏と決定的に違うところだ。

 

地鶏の血統

地鶏(じどり)は、在来種の血統が50%以上入っているニワトリのことを言う。

 

鶏肉として生産する場合は、地鶏のオスと、外国産の多産系(タマゴをたくさん産む)のメスを掛け合わて作る。

 

というのも地鶏は小柄なモノが多く、卵もあまりたくさん産まないからだ。


 

なので、食用で「地鶏」と言って我々が食べているのは、地鶏のハーフであることが多い。

 

ただ地鶏の血統は、江戸時代から続いている。

 

また鶏肉を食べるという文化も、シャモオトシなんて言って、江戸時代からすでに存在した。

 

シャモオトシは、闘鶏で負けた鶏を軍鶏鍋(しゃもなべ)にして食べたことを言うらしいが、軍鶏鍋が流行るにつれて、軍鶏と別のニワトリを掛け合わせてシャモオトシ肉も生産されたらしい。

 

そして江戸時代に盛んに品種改良されたため、タイから導入されたのは明らかだが、シャモも日本の品種の一つとされている。

 

また日本産の軍鶏が米国に渡って、レッドコーニッシュという品種の種鶏の一つになったらしい。

 

和牛の種類

 

現在は、次の4つの品種と、交配種を和牛と定義している。

 

生産量は、黒毛和種が8割を占めていて、和牛と言えば、黒毛和牛というのが現在の状況だ。

 

黒毛和種(くろげわしゅ:くろげうし)

黒毛和種は、兵庫県の但馬国(たじまのくに)あたりで作られた和牛だ。

 

現在は肉用牛として飼育されているが、元々は使役牛として生産されていた。

 

但馬国で古来より飼育されていた牛に、ブラウンスイス牛という茶色い牛を掛け合わせて、品種改良されたのが但馬牛。

 

そして現在の黒毛和牛は、ほぼこの但馬牛の血を引いている。

 

また但馬で育てた小牛を、三重県の松阪で飼育したモノが松阪牛(まつさかうし)で、滋賀県で飼育したのが近江牛(おうみうし)だ。

 

但馬牛は肉用牛としては小柄で歩留まりが悪いのだが、肉にサシ(脂肪)が入りやすいという特徴があって、高級和牛として高値で売買されている。

 

褐毛和種(あかげわしゅ、あか牛)

赤毛和種は、熊本(肥後国)や高知(土佐国)で飼われていた「あか牛」をベースに、外国産の牛と交配させて作られた品種だ。

 

あか牛は、古来から使役牛として飼われていたらしいが、どこから来たのかはよく分からない。

 

これにヨーロッパの大型品種である、シンメンタール牛を掛け合わせて作られたのが、赤毛和種だ。

 

シンメンタール牛というのはスイスの牛で、大型の乳肉兼用の品種だ。

 

赤毛和種の中には、足や顔が白いモノもあるが、これはシンメンタール種の特徴らしい。

 

日本短角種(にほんたんかくしゅ)

青森県や岩手県あたりで飼われていた在来種に、ショートホーン牛を掛け合わせて作られた品種。

 

サシは入りにくいが、粗飼料(草、サイレージ)で育ちが良い。

 

要するに、生産費が安く付くタイプの品種。

 

無角和種(むかくわしゅ)

 

山口県阿武郡で作られた和牛。

 

アバディーンアンガス牛という黒い品種と交配して作られた品種。

 

生産量は和牛の中で一番少ない、というか数%程度。

 

 

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