親子丼 明治時代に生まれた人気メニュー
更新日:2019/11/11
親子丼も、発祥や由来がよく分からない丼物だ。
親子丼とは、煮た鶏肉を卵でとじた丼物であるが、どこで誕生したのかはよく分からない。
関東では、東京の日本橋にある「玉ひで」を、親子丼の発祥店として紹介することが多い。
この店は、1760年(江戸時代)から250年以上も続く軍鶏(しゃも)料理の名店で、鶏肉料理の老舗だ。
ところが親子丼をメニューに載せて、店内で食べさせるようになったのは、1979年以降のことだ。
軍鶏鍋の店なので、軍鶏鍋の〆として卵でとじることはあったし、テイクアウト専用のメニューとして、しっかり火を通したモノを白飯に乗せたものはあったらしい。
ただ我々がよく知る親子丼とは、ちょっと違う親子丼なので、現在広まっている親子丼のルーツとしては微妙なところだ。
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いとこ丼 鴨肉や合鴨を使った親子丼
一方、関西では明治時代後半に、現在の形に近い親子丼が誕生しており、広まっていた。
親子丼という名称も、明治初期に既に誕生しており、大正時代には普通のメニューとして多くの飲食店で提供されていたようだ。
関西には親子丼以外にも、様々な卵とじ丼(玉子丼)が生まれているので、個人的には関西の方が古いのでは無いかと思っている。
関西独特の丼物
- 木の葉丼(このはどん) … カマボコの薄切りと青ネギを卵でとじた丼。
- ハイカラ丼 … 天かすや、細かなかき揚げをタマネギと一緒に煮て、卵でとじた丼。タヌキ丼とも呼ばれる。
- 衣笠丼(きぬがさどん) … 油揚げと青ネギを卵でとじた丼。
- 若竹丼 … タケノコとワカメを卵でとじた丼。
また、親子丼の変形としては、「いとこ丼」なるものもある。
いとこ丼とは、鶏肉の代わりに鴨肉や合鴨を卵でとじた、鴨の親子丼だね(鴨いとこ丼)。
いとこ丼というと、サーモンとイクラを乗せた海鮮丼(鮭いとこ丼)の方が有名だ。
また、豚肉を煮て卵でとじた丼を「いとこ丼」と呼ぶ場合もある。
豚肉の卵とじ丼なら「他人丼」やないか!と言う気もする。
ただ他人丼という言い方は関西や西日本の言い方で、関東や東日本では通じないことが多い。
関東や東日本では、他人丼は「(文明)開化丼」と呼ばれていて、豚いとこ丼は、開化丼と呼ぶ方がふさわしいかも知れない。