一般酒と特定名称酒 成分比較
更新日:2019/10/22
甘口の日本酒と辛口の日本酒は、どう決まるのか。
実は、甘いとか辛いというのは、もともと別の指標だ。
たとえば砂糖と唐辛子を混ぜれば、その比率によって感じ方はかなり変わるだろう。
一般のメニューなら、甘辛いという表現になる場合も、日本酒の場合は甘いか辛いかどちらかに分類されるわけだし。
では甘口とか辛口というのは、数値化できないかと言えばそうでもない。
日本酒の成分は「日本酒度」「エキス分」「総酸」「アミノ酸度」で表され、そこから「甘辛度」「濃淡度」という指標が計算されている。
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日本酒の成分比較 一般酒、吟醸酒、純米酒、本醸造
平成28年の「全国市販酒類調査」より抜粋すると、次のようになっている。
指標(平均値) | 一般清酒 | 吟醸酒 | 純米酒 | 本醸造酒 |
---|---|---|---|---|
日本酒度(比重) | 3.5 | 3.7 | 4.2 | 4.6(辛口) |
エキス分 | 4.55 | 4.65(甘口) | 4.46 | 4.39 |
総酸 | 1.16 | 1.30 | 1.49(酸味) | 1.27 |
アミノ酸度 | 1.25 | 1.21(スッキリ) | 1.53(コク) | 1.36 |
甘辛度 | -0.08 | -0.27 | -0.52(辛口) | -0.30 |
濃淡度 | -1.00(淡麗) | -0.74 | -0.42(濃厚) | -0.85 |
それぞれの種類の日本酒を分析して、平均値を算出したデータから読み取ると、次のようになる。
辛口なのは純米酒で、甘みがあってフルーティなのが吟醸酒。
酸味が強いのは純米酒、コクがあるのも純米酒ということになる。
一般の清酒が一番甘口で、しかも淡麗、要するに「味がうすい」。
もちろんこれは平均値なので、銘柄によってはかなりの偏りがある。
それぞれの数値については、以下でもう少し詳しくまとめておこう。
日本酒の成分 指標の読み方
日本酒度とは
日本酒度は、水と比べた場合の重さ(比重)を元に数値化したもので、高いほどアルコール分が多くエキス分が少ないことを表します。重くなる原因は糖分なので、日本酒度が高い方が辛口になります。
エキス分とは
エキス分とは、アルコール分以外の成分を表し、日本酒の場合は殆ど糖分で、エキス分が多いほど甘口になります。
総酸とは
総酸とは、乳酸、コハク酸、リンゴ酸などの有機酸の含有量を表し、数値が高いほど酸味が強くなります。酸度が高いと甘みが打ち消されて、辛口に感じられるようです。
アミノ酸度とは
アミノ酸度とは、アルギニン、チロシン、セリン、ロイシン、グルタミン酸などのアミノ酸の含有量を表し、アミノ酸度が高いほどコクや旨みがあるとされています。
甘辛度とは
甘辛度とは、日本酒度と総酸から算出した指数で、甘辛度が高いほど甘口になります。
濃淡度とは
濃淡度とは、日本酒度と総酸から算出した指数で、濃淡度が高いほど濃厚、低いほど淡麗(たんれい)という評価になります。
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