高い素麺と安い素麺、何が違う?
更新日:2021/07/22
揖保乃糸(いぼのいと)といった、お中元で使う素麺は、なぜ高い?
というのも近くのドラッグストアや業務スーパーで買う素麺とは、値段が3倍から5倍くらい違う。
食欲のない暑い夏の日は、素麺を毎日のように茹でて食べるのだが、変な材料を使っているから安いのではないかと、ちょっと気になった。
しかし素麺の材料は、小麦・塩・水の三つ(+油)で、原材料名表記は、高い素麺も安い素麺も皆同じだ。
パンなどは、安い小麦を使っている場合、食品添加物を使って味を良くするのだが、そう言うこともしていない。
この差って、いったい何なのか。
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素麺の値段は、材料と麺の細さで決まる。
素麺の材料は、小麦と塩と水で作る。
具体的には、塩水を作って小麦と混ぜ、それを寝かして粘りを出し、細長く糸状に伸ばして乾燥させる。
簡単に言うと、それだけだ。
では、素麺の等級や値段の差は、一体何で決まるのか。
実は素麺の等級は、産地やメーカーそれぞれで決めてるので、産地毎の製造組合のホームページを見るしかない。
ただ一般的には、「原材料の違い」と「麺の細さ」で等級や値段が決まる。
まず素麺の麺は細いほど麺つゆが絡みやすく、のどごしが良くなる。
しかし細い麺を作るには、職人さんの腕が必要で、機械では作れない。
機械で無理矢理に引き延ばして細く作ろうとすると、ブチブチ切れて売り物にならなくなる。
そのため、年季の入ったベテラン職人さんでないと、極細の素麺は作れない。
また細い麺を作るには、原材料を厳選しなくてはならず、安い小麦では作れない。
極細の素麺を作るには、それに適した小麦粉や水が必要で、原料を厳選すれば、それだけコストが嵩むし、数量も限られてくる。
そういうわけで、等級の高い細い素麺は、値段が高くなってしまうわけだ。
揖保乃糸の等級
等級/グレード | 特徴 | 製造期間 | 麺の細さと、一束の本数 |
---|---|---|---|
揖保乃糸 上級 | 伝統的製法による揖保乃糸の普及品 | 10月〜翌4月 |
0.70〜0.90mm |
揖保乃糸 特級 | 熟練製造者のみに作れる、贈答用の素麺 | 12月〜翌2月 |
0.65〜0.70mm |
揖保乃糸 三神(さんしん) | 限られた職人にしか作れない最高級グレードの極細素麺。 | 12月下旬〜翌2月 |
0.55〜0.60mm |
揖保乃糸 ひやむぎ | ひやむぎ専用の小麦粉で製造。赤、青2色の色麺が目印。素麺の4倍くらいの太さ。 | 5月・9月 |
1.30〜1.70mm |
素麺の作られ方 動画と通販
素麺の製造方法は、概ね次の通りだという。
- 塩水を作る
- 小麦粉に塩水を混ぜてこねて素麺生地を作る。
- 素麺生地を一昼夜おき、粘りけが出てきたら機械で5ミリ程度の薄さに伸ばす。
- さらにそれを捻りながら表面に油を塗って、紐状にしていく。
- 一昼夜寝かせて熟成させたら、今度は2本の棒に紐状にした生地を八の字に掛けていく。
- その状態で少し伸ばした後、また一昼夜寝かせる。
- 寝かせた2本の棒を、さらに少しずつ引き延ばしていく。
- その後、乾燥させたら、長さを揃えて切り、束にしていく。
- 出来た束を箱に入れたら、できあがり。
素麺が出来るまで 動画
とある三輪素麺の工場の様子。
揖保乃糸の引き延ばし 動画
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