岩塩にミネラルが少ない理由
更新日:2019/11/07
岩塩(がんえん)とは、山の上や地中で獲れる塩だ。
太古の昔に海だったところが隆起して海水が閉じ込められ、数百年以上もかけて結晶化したものだと考えられている。
ただ、岩塩の中には海の生物の化石などがあまり見つからないため、この説に疑問を呈する学者もいる。
海のナトリウム自体、陸地から流れ出したと考えられているため、陸地にあるナトリウムが雨に溶けて一所に溜まって出来たとも考えられるし。
また「岩塩はミネラル分が多いと言う誤情報」が流れていることもあるが、実は海水塩に比べてはるかにミネラル分が少ない。
特に少ないのがマグネシウムで、岩塩にはマグネシウムが殆ど含まれないことが多い。
なぜミネラル分が少なくなるかというと、岩塩は、比重の違いなどによって、さまざまなミネラル分が層に分かれて結晶化するためだ。
そして結晶化した後も、雨が降ると、水に溶けやすいミネラルは流れだしたりする。
そうして何百年もかけて、純度の高い塩化ナトリウムになるため、岩塩は海水塩より塩っぱくなる。
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西洋料理では、なぜ岩塩が使われるのか?
岩塩が、西洋料理によく使われる理由は簡単で、アメリカやヨーロッパ各地でたくさん採れるからだ。
塩化ナトリウムの世界生産量は、海水塩より岩塩の方がはるかに多く、7割が岩塩だ。
日本では岩塩が採れないため、塩というと海水から作るのが「常識」だ。
しかし欧米では、塩は山からとってきて、それを精製して使うのが「常識」なのだ。
岩塩の生産量が多いのはアメリカ合衆国、中国、ドイツ、インド、カナダなどだ。
岩塩は、掘り出したモノを細かく砕いてそのまま使うこともあるが、水に溶けにくい。
このままでは料理に使いにくいので、いったん水に溶かしてから精製して食塩にする。
ちなみに地下にある岩塩を取り出す場合は、水を地中に注入して飽和水溶液を作り、それを汲み上げて再結晶させる(溶解採鉱法と言う)。
そして、ヨードなどのミネラルを補うため、岩塩から作る食塩には、ミネラル分を添加することも多い。
岩塩の色とミネラルの関係
岩塩には、色がついているモノも多い。
山から掘り出した岩塩は、赤かったり黒かったり青かったりする。
海水塩は、白い結晶が殆どだから、色つきの塩も日本人にとっては驚きだ。
この原因は、酸化鉄(赤錆び)やクロムやマンガンなどのミネラルがわずかに混入しているからだ。
鉄やクロム、マンガンなどの鉱脈が近くにあって、それが溶け出して岩塩に混ざっているらしい。
発色している岩塩には、様々な金属ミネラルが紛れ込んでいるため、有害金属が含まれていないか、分析も必要かもしれない。
塩は使い分けるもの?
食塩は、塩化ナトリウムの割合が高いほど、塩っぱくてトゲトゲしい味になる。
マグネシウムやカルシウムが多い食塩は、まろやかに感じられるのだが、塩化ナトリウムだけの結晶は、ちょっとキツい。
昭和の頃の日本の食塩は、ほぼ100%が塩化ナトリウムで、かなりキツい味だった。
当時は海洋汚染で日本の海が汚れていたため、工業的に精製した塩化ナトリウムを食塩として使っていたのだ。
しかし「美味しんぼ」などのグルメ漫画が大ヒットしたり、塩専売公社が民営化したりして、様々な塩が流通し始めた。
そこで、塩化ナトリウム以外のミネラル分を含む天然塩や岩塩が、家庭料理の世界に入ってきたわけだ。
では、岩塩は、どういう料理に使えば良いのか。
まず岩塩は溶けにくいので、細かく砕いて、ステーキや肉料理などに振りかけて食べると良い。
焼き魚にパラパラかけて食べるのも良いし、サラダにパラパラかけても良い。
とんかつ専門店で、色々な塩を用意しているところもある。
ソースの味ではなく、とんかつの味を楽しんでもらいたいっていう趣向なんだろうね。
つまり、岩塩の粒が口の中で溶けて、それがスパイスになるような使い方が、素材や料理の味を引き立てるって事だな。
逆に、岩塩は溶けにくいので、肉の下ごしらえや焼き魚には不向きで、ムラが出来てしまうので避けた方が良い。
岩塩 通販
スーパーでも、スパイスのコーナーなどに食用岩塩を置いてあるところもあるが、産地によって様々なクセがある。
これはもう好き嫌いなので、試してみるしかないかな。
モンゴル岩塩・湖塩
モンゴル岩塩は、うすいピンクの岩塩で、鉄分が含まれる。
モンゴルの塩湖でとれる湖塩も流通している。
ヒマラヤ岩塩
硫黄分が多く黒っぽい岩塩。
インドやネパール、チベットやパキスタンでとれる。
ボリビア岩塩
アンデス岩塩。
濃いピンク色の岩塩でまろやか。
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