酒の肴と言えば、シシャモ! でも高嶺の花になりつつある
更新日:2019/11/01
シシャモも、酒の肴としてよく食べられる魚だ。
と言っても日本国内で流通しているのは、「樺太シシャモ」「カペリン」と呼ばれる輸入品だ。
本来のシシャモ(本シシャモ)は、北海道の太平洋沿岸だけで獲れる魚で、形は似ているが味や香りは微妙に異なる。
キュウリウオとは
本シシャモと樺太シシャモ(カペリン)は、共にキュウリウオ科の魚で、形が似通っている。
このキュウリウオは、北海道沿岸や北緯40度以北の北太平洋を廻遊している魚だ。
新鮮なキュウリウオは、キュウリのような臭いがするので、この名前がついている。
大きさは20センチほどで、口は受け口で、下歯は鋭い円錐形をしていて、プランクトンやイカを食べる。
日本国内では、キュウリウオも代用シシャモとして売られている事がある。
産卵期は晩春から初夏で、晩秋に産卵する本シシャモとは、大きく異なる。
キュウリウオ科の魚としては、シシャモの他に、白魚、ワカサギ、鮎などがある。
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樺太シシャモ カペリンとは
日本で子持ちシシャモとして売られているのは、殆どがカペリン(キャペリン)という魚だ。
カペリンは、太平洋や大西洋の極北地域を廻遊している魚だ。
太平洋ではオホーツク海やカナダ沿岸、大西洋ではアイスランドやグリーンランド周辺で獲れる。
大きさは15センチほどで、キュウリウオよりも5センチほど小柄だ。
日本では1970年代から、シシャモの代用品として輸入され、シシャモとして売られ始めた。
ただしカペリンは、本シシャモとは味も香りも違いがあるため、2003年からは「カペリン」または「樺太シシャモ」と表示して売られる決まりになった。
本シシャモと輸入シシャモ 何が違う?
輸入シシャモのカペリン・樺太シシャモと本シシャモ、いったい何が違うのか。
まず、カペリン・樺太シシャモは海水魚であり、極北の冷たい海の中を廻遊する魚だ。
カペリン・樺太シシャモの産卵期は、晩春から初夏で、海岸の浅瀬で産卵する。
一方、本シシャモも海水魚で海を回遊する魚ではあるのだが、実は産卵場所は川だ。
川を遡上して産卵する魚としては、サケマス類があるが、実は本シシャモも川をさかのぼって産卵するのだ。
しかも産卵時期も、キュウリウオやカペリンとは異なって、10月11月の晩秋だ。
カペリンやキュウリウオは春夏に産卵するが、本シシャモは秋に産卵するのだ。
この辺りが、本シシャモと樺太シシャモの味や香りの違いなのかも知れないね。
シシャモが食べられなくなる?
カペリン・樺太シシャモは現在、北大西洋のノルウエーやアイスランド、カナダから輸入している。
ところが近年は乱獲によって漁獲量が減り、ノルウエーやアイスランドでは漁獲量を制限したり、禁漁して資源保護の対象になり始めた。
もともとカペリンは小魚で、養殖用のエサとして乱獲されやすい魚であった。
が、大型魚のエサとなっていたり、輸出用の外貨稼ぎの基調な魚となったため、厳格な資源保護の対象になったらしい。
そのため値段も数割高くなっただけでなく、輸入できる数量も8割以上減りそうだ。
日本の本シシャモ産地の北海道でも、シシャモの孵化場を拡大して稚魚の放流数を増やしているが、酒の肴としてのシシャモは、しばらくの間、高嶺の花となるかも知れないね。
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