カツ丼は どこで誕生した? カツ丼のうんちく
更新日:2019/11/11
カツ丼は、今や日本全国で食べられている丼物だ。
とんかつを包丁で切って、卵でとじて白飯の上にのっけるだけの、比較的シンプルな丼だ。
トンカツは、外国人観光客にも人気の逸品らしく、日本を紹介する動画には良く出てくる。
カツ丼も人気みたいだね。
ところがこのカツ丼、どこでどうやって誕生したのか、よく分かっていない。
中国大陸では、豚肉料理はたくさんあるが、江戸時代の日本では豚肉は食べられていなかった。
鶏肉を「かしわ」、馬肉を「さくら」、イノシシの肉を「ぼたん」と呼ぶように、一部では獣肉も食べられていただろう。
また「シャモオトシ」というように、闘鶏のために飼っていた軍鶏(しゃも)を鍋にして食べたり、鴨鍋も江戸時代には食べられていたらしい。
しかし日本では、豚肉を庶民が気軽に食べられるようになったのは、ここ百年くらいだから、カツ丼の誕生も最近の事のハズだ。
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洋食の豚カツが、なぜ丼物に?
そしてもう一つの謎が、なぜ豚カツが丼になったかだろう。
カツ丼に使われているのは豚カツだが、豚カツって洋食だよねえ。
一方、丼物は和食の範疇だから、洋食屋でカツ丼が誕生したとは考えにくい。
カツ丼が初めて文字として現れたのは、Wikipediaによると明治30年代の事らしい。
場所は山梨県の甲府で、蕎麦屋のメニューとして存在していたという。
東京では、大正時代の早稲田あたりの三朝庵(さんちょうあん)という蕎麦屋で、カツ丼が誕生したという説もある。
三朝庵は、大隈重信家御用達で、カツ丼の発祥の店の一つとされている。
また卵でとじたカツ丼は、大阪で誕生したという説もあり、あちこちに様々な説が存在する。
通常、こういう新しいメニューが誕生したときは、作家なり文豪が小説やエッセイで取り上げて話題になることが多い。
そしてその事が、新しいメニューの古い記録として、由来や発祥の店が推定されることが多い。
ところがカツ丼に関しては、なぜか古い小説にもエッセイにも紹介されておらず、よく分からないと言うことらしい。
ただ明治時代や大正時代には、蕎麦屋からカレーうどんやカレー南蛮など、様々なメニューが誕生しており、蕎麦屋でカツ丼が生まれたという可能性だけは、高そうだね。
カツ丼の色々 地域のカツ丼
カツ丼は、様々な地域で、様々な違った形で提供されているメニューだ。
豚カツが皿に盛った白米の上に乗っておれば「かつめし」「かつライス」で洋食メニュー。
一方、豚カツが丼飯の上に乗っておれば「カツ丼」と認識されるということらしい。
ソースカツ丼
豚カツをウスターソースに浸した後、丼飯の上に乗せたカツ丼。北陸や東日本に多い。
味噌カツ丼
名古屋を中心とした東海地方でメジャーな味噌カツを、丼飯に乗せたカツ丼。
八丁味噌ベースのソースがかかっている。
このほかにも、醤油カツ丼やデミグラスソースを掛けたデミカツ丼など、様々なバリエーションがある。