豆ご飯は、関西では初夏の風物詩だ。豆ご飯と言えば、関西では「うすいエンドウ」を使ったご飯のことで、5月下旬くらいによく作られる。塩気のあるご飯と、甘みのある豆のコントラストで、何杯もお替わりできる逸品だ。うすいエンドウは、5月-6月頃の一ヶ月くらいだけしか出回らないので、本当に季節限定の「ごちそう」だ。エンドウ豆は別名グリーンピースと呼ばれる豆だが、うすいエンドウは、グリーンピースのようなえぐみが...
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季節の味覚 季節限定 地域限定メニュー記事一覧
白むし(白蒸し)とは、「黒豆おこわ」のことだ。「おこわ」とは、モチ米を蒸したモチ米ご飯のことで、小豆を使った赤飯おこわは、慶事のお祝いの席で食べられる。それに対し、白蒸しはお盆や法事、弔事の席で出される。法事や弔事で出される黒豆おこわは、北陸では「みたま」と呼ばれているらしく、法事の他にも新築祝い・上棟式などでも振る舞われるらしい。上棟式(建前)で黒豆おこわが振る舞われるのは、赤飯だと「火災」を連...
揖保乃糸(いぼのいと)といった、お中元で使う素麺は、なぜ高い?というのも近くのドラッグストアや業務スーパーで買う素麺とは、値段が3倍から5倍くらい違う。食欲のない暑い夏の日は、素麺を毎日のように茹でて食べるのだが、変な材料を使っているから安いのではないかと、ちょっと気になった。しかし素麺の材料は、小麦・塩・水の三つ(+油)で、原材料名表記は、高い素麺も安い素麺も皆同じだ。パンなどは、安い小麦を使っ...
うなぎは、土用の丑の日(どようのうしのひ)の風物詩だ。暑さで食欲が落ちがちな夏に、栄養満点のウナギを食べることで、夏バテを防ごうという慣習だ。夏の土用だけが、ウナギと絡めて語られ有名だが、土用とは立春・立夏・立秋・立冬という二十四節気の前の18日間のことを言う。土用の終わりは「節分」で、要するに「季節の変わり目の前の18日間」が「土用の期間」になる。四立(しりゅう)この前日が節分で、土用の終わりに...
ウナギは高い。スーパーに並んでいるウナギも、町の飲食店のメニューに載っているウナギも、なんだか高い。たった二切れのウナギの蒲焼きでも1,000円近い値段がついていたりする。その理由は簡単で、「完全養殖が難しい」からだ。ウナギの養殖は、海から稚魚を獲ってきて、それを育てて商品にする。そのため、稚魚の捕れた数量が、養殖できるウナギの数量の上限になる。しかもウナギの稚魚は、年々水揚げ量が減っていて、資源...
おでんと言えば、秋冬の定番料理だ。関東や関西のコンビニでは、8月のお盆の後くらいから、おでんを並べ始める店も多い。ただ、一口に「おでん」と言っても、様々な「おでん種」があり、地域によって様々なタイプがある。まず関東と関西とでは、呼び方自体が違う。味噌田楽と、関東煮関西では、おでんといえば「味噌田楽」(みそでんがく)を指す場合が多い。味噌田楽とは、こんにゃくや厚揚げなどの具材を串に刺して煮て、味噌だ...
おでんも、日本全国で様々なバリエーションがある。関東おでんでは、ちくわぶ、はんぺんなどが必須の「おでん種」だ。一方、関西おでん(関東煮)では、代わりに牛すじ串やタコ足などが入る。関西では、おでんのことを関東煮(かんとだき)と呼ぶが、ちくわぶ、はんぺんは入らない。ちくわぶという種があることはテレビで知っていたが、私も40過ぎに上京するまで、一度も食べたことは無かった。名古屋の味噌おでん 八丁味噌の茶...
おでんが近年、コンビニから消えつつある。以前、おでんはそれぞれのコンビニ独自に開発して大きな売りになっていた。毎年毎年、だしを改良したり、おでん種を新しくしたり、テレビCMもバンバン打っていた。ところが2019年シーズンには、おでんのテレビCMはほとんど見なくなった。というのも、おでんを置かないコンビニや期間短縮する店も増えてきたからだ。以前は、おでんは秋冬の集客商品で、温かいおでんを求めて夜にな...
カニ料理は、冬が近付くと食べたくなる食の風物詩だ。ズワイガニ、タラバガニ、毛ガニ、越前ガニ、花咲ガニ、様々な種類がある。しかし大きく分けると、カニは二つに分かれるという。というのも、8本足のカニと、6本足のカニがいるからだ。8本足のカニは、2本の爪と8本の足を持つ(都合、十脚)。このタイプのカニには、ズワイガニ、越前ガニ、松葉ガニ、毛ガニなどがある。一方、6本足のカニは、2本の爪と6本の足を持つ(...
タラバガニは、大きなサイズのカニだ。タラバガニの大きいモノは、1メートルくらいに成長するので、水族館で見るとちょっとギョッとする。大きいし、足も肉厚があって太いため、とても食べ応えのあるカニだ。魚のタラ(鱈)が採れる漁場、つまり「鱈場(たらば)」にいるカニなので、タラバガニと命名されたという。ただタラバガニは、生物学的には、カニの仲間ではない。その証拠に、ズワイガニと比べて足の本数が2本少ない。ズ...
カニ味噌は、カニ鍋や焼きガニなどで、よく出てくる部位だ。特に毛ガニは、小ぶりなカニだが、カニ味噌が美味いため、珍重されている。ズワイガニやワタリガニ(ガザミ)、上海ガニも、美味いカニ味噌が詰まっていて、カニ料理の楽しみの一つとなっている。しかしカニ味噌って何なのか。あれって、脳みそなのか? それとも別の何かなのか?一方、タラバガニは、脚だけ売っていて、カニ味噌を滅多に見ない。これって一体、どういう...
ワタリガニは、秋冬の季節の味覚だ。ワタリガニは、ガザミとも呼ばれ、三河湾以西の太平洋側の内海湾で獲れる。三河湾、伊勢湾、、大阪湾、瀬戸内、有明湾、豊前海などが、ワタリガニの主な漁場だ。大阪の「岸和田だんじり祭」では、ワタリガニが祭りのご馳走として振る舞われる。岸和田は、大阪湾に面して漁港の多い泉州(せんしゅう)地域にあり、昔からワタリガニがたくさん獲れたらしい。また四国や九州では、ワタリガニの近縁...
酒粕味噌鍋とは、酒粕(さけかす)と味噌を使った鍋だ。酒粕も味噌も発酵食品なので、発酵鍋とも呼ばれる。酒粕は、アミノ酸やペプチドタンパクを含み、美肌に良いと鍋に加えることが最近、流行している。酒粕を使った物としては粕汁(かすじる)もあるが、粕汁に味噌を加えたモノをベースにした鍋だと思えば近い。酒粕味噌鍋のいろいろ豚肉と白菜の酒粕味噌鍋 … 豚肉と白菜という定番の組み合わせで作る酒粕味噌鍋。キノコも入...
チーズフォンデュも、寒くなると恋しくなる料理の一つだ。チーズフォンデュは、スイスを中心としたアルプス山脈の山岳地帯の郷土料理だ。Wikipediaによると、チーズフォンディは「チーズを白ワインで煮込んだ料理」となっている。チーズフォンデュの「フォンデュ」とは、フランス語で「溶かす、溶ける」という意味で、チーズを溶かした料理ってことらしい。因みにフランス語では、フォンデュ・オ・フロマージュ (fon...