ゴディバなどの高級チョコは、なぜあんなに高いのか
更新日:2020/01/29
バレンタインデーが近付くと、にわかに活気づくのがチョコレート売り場だ。
スーパーでもバレンタインチョコ特集のエンドや平台を作ったりして、バレンタインチョコの売上げアップを狙う。
そこで気になるのが、ゴディバ(godiva)などの高級チョコの値段だ。
ゴディバなどの高級チョコは、一粒数百円もして、かなりビックリする。
牛丼が400円で食べられる時代に、たった一粒で300円とか500円とかする。
チョコレートって、そんなに高級な食べ物なのか?
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ゴディバ(godiva)と、ベルギーチョコレート
日本で高級チョコレートと言えば、ゴディバ(godiva)だ。
ゴディバのチョコレートは、詰め合わせのチョコレートでも、1粒220円くらいするし、チョコクッキーでも1枚100円くらいする。
ゴディバは、ベルギー発祥のメーカーだが、ベルギーはチョコレート王国というくらい、高品質のチョコレートメーカーが多い。
ベルギーでは、チョコレートの品質管理が厳しく、厳しい規定をクリアしていないと、ベルギーチョコレートと名乗れない。
その中で、ベルギー王室御用達のブランドは数銘柄しかなく、王室御用達のゴディバはベルギーのチョコレート業界のトップブランドといえる。
高級チョコと安いチョコの違いは、カカオの含有量
高級チョコと工場で作っている安いチョコレートは、一体何が違うのか。
ベルギーチョコレートの基準を見てみると、その違いが見えてくる。
まず一つには、チョコの成分が違う。
チョコの原材料は、カカオ豆だけれど、チョコレートはカカオ豆だけでできているわけでは無い。
安いチョコレートは、いろんな混ぜ物が入っていて、それで安く作れる。
日本のメーカーが生産しているチョコレートは、品質を安定させるために乳化剤などの食品添加物を使ったり、植物性油脂(植物油)を使ったりする。
しかしベルギーチョコレートでは、加えてよい油脂はカカオバターのみで、それ以外の油脂は加えない。
ベルギーでは、カカオバター100%がチョコレートであって、カカオ以外の油脂を混ぜたモノはベルギーチョコレートとは認めないのだ。
一方、イギリスなどでは、ミルクを混ぜたミルクチョコレートが主流で、カカオバター以外に乳脂肪分が含まれているため、カカオ由来でない油脂は5%までなら混ぜてよいことになっている。
因みに日本では、カカオ由来の成分が35%以上あれば、チョコレートとして認められるため、ベルギーチョコレートとはカカオの含有量が全然少ないことになるね。
高級チョコは、カカオ豆の加工の手間も異なる
高級チョコレートと安いチョコレートの違いは、カカオ豆の加工にかける手間も違う。
日本の製菓工場で作っているチョコレートは、発酵が済んだカカオ豆を買ってきて焙煎したり、既にすり潰したカカオマスを買って原料に使っている。
一方、ベルギーチョコレートでは、カカオを砕いた粒子の大きさを15~18ミクロンという超微細のサイズにしている。
細かく砕けば砕くほど、滑らかな食感のチョコレートになるため、こういう基準を設けているらしい。
この基準を満たすためには、カカオ豆を厳選し、発酵や焙煎、すり潰す工程で厳密な品質管理を行う必要がある。
カカオ豆を発酵させればさせるほど、納豆のように柔らかくなって細かくすることができる。
ところがそうすると、今度は風味などが変わってくるため、微妙なさじ加減が必要になるのだという。
また、高級チョコレートは、プラリネと言って、ナッツを砂糖で固めたものにチョコレートをコーティングしたタイプのモノも多いが、これらもチョコレートが高くなる一因になっている。
ベルギーでは、大小様々なメーカーや専門店で多くのショコラティエが日夜、新しいチョコレートの開発に携わっており、それが
ベルギーチョコレートを特別なモノにしているということらしい。
まあもちろん、高い値段のチョコレートを楽しみに買って食べるという文化があるということが、一番の原因だろうが。