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六カ国研究 心臓病と脂肪の関係

更新日:

食用油と一口に言っても、様々な成分があって健康効果も様々だ。

 

そして20世紀後半からは、様々な油の健康効果が、いろんな形で伝えられてきた。

 

たとえば70年代は、動物性脂肪より、植物油が良いとされた。

 

80年代は、コレステロールに注目が集まり、コレステロールを含まれない油や、コレステロール値を下げるとう、リノール酸に注目が集まった。

 

90年代は、植物油にも色々あって、オメガ3系統のαリノレン酸や、魚油に含まれるEPA・DHAに関心が集まった。

 

実は、油と健康の関係については、戦後すぐから始まった「6カ国研究」が、大きな役割を果たしている。

 

これは心臓病や脳梗塞に悩むアメリカが、主導して始まった研究で、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ギリシャ、日本という6カ国の食生活と、心疾患や脳梗塞などの患者数・死亡者数の相関関係を長期間にわたって調べたものだ。

 

そこから当初は過剰な脂肪摂取が、心疾患や脳梗塞の原因とされた。

 

というのも心臓病の少なかった日本や地中海沿岸では、油や脂肪の総摂取量が少なかったからだ。

 

そこで脂肪の取り過ぎが悪いとなった。

 

さらに地中海沿岸では、オリーブオイルが多用されていたため、コレステロールが悪いとなり、動物性脂肪より植物油が良いとなった。

 

さらに植物油ならなんでも良いわけではなくて、健康に良い成分が何かが問題となった。

 

というのも、植物油の脂肪酸構成は、原材料によって全く異なっていたからだ。

 

ここからさらに研究が進み、オメガ6脂肪酸と、オメガ3脂肪酸の健康作用が分かってきた。

 

そして今まで悪いとされていた飽和脂肪や、コレステロールの健康効果が再確認されたりした。

 

様々な植物油の脂肪酸構成の比較
※クリックすると大きなグラフがご覧になれます。

 

赤色がαリノレン酸(オメガ3)、青緑がリノール酸(オメガ6)


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油と健康について分かっていること

油・脂肪と健康の関係について、現時点で分かっていることをまとめてみる。

 

まず血中コレステロール値が高い人は、心臓病リスクが高い。

 

ただしコレステロールが多い油や脂肪を減らしたとしても、血中コレステロール値には影響がない。

 

というのも血中コレステロール量は、肝臓で調整されているため、脂肪を食べ過ぎても殆ど影響がない。

 

逆に、脂肪や油を食べないと、コレステロール不足の恐れがある。

 

コレステロールは、性ホルモンの材料や、脳をストレスから護るDHEAの材料になるため、不足すると健康に良くないからだ。

 

一方、コレステロール値を下げる油として、盛んに宣伝されていたリノール酸は、アトピー性皮膚炎などの炎症をヒドくすると言うことが分かってきた。

 

リノール酸はオメガ6系統の油で、多くの植物油にたくさん含まれているが、取り過ぎが健康に悪いとされて、近年はリノール酸が少ない品種が増えてきた。

 

また、オメガ3系統のαリノレン酸は炎症を抑えDHAは脳の神経細胞の材料になる。

 

オメガ3系統というと、魚油に含まれるEPAやDHAが有名だが、シソ油(エゴマ油)や亜麻仁油に含まれるαリノレン酸も、様々な健康作用が確認された。

 

さらに、植物油が酸化した過酸化脂質は、いろんな意味で身体に悪い。

 

マーガリンやショートニングなど、油に水素添加して作られた「硬化油」は、有害なトランス脂肪酸が発生して良くない。

 

逆に、オメガ9系統のオレイン酸や、ココナッツオイル、動物性脂肪などは、酸化しにくいので健康に良い。

 

2016年現在は、こういった感じかな。

 

油・脂肪酸の分類
  • 飽和脂肪…酸化しない油。

     

    炎症には関係が無い油

  • n3系(オメガ3脂肪酸)…αリノレン酸やEPA、DHAなど。

     

    炎症を抑える

     

  • n6系(オメガ6脂肪酸)…リノール酸など。

     

    炎症を促進する。

     

  • n9系(オメガ9脂肪酸)…オレイン酸など。

     

    酸化しにくい脂肪酸。

     

    炎症には関係ない油


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