日本で減農薬が進まない理由
更新日:
日本のスーパーで売っている野菜は、残留農薬が必ずある。
というのも野菜を作るには、農薬なしでは考えられないからだ。
ただし日本は、世界有数の、農薬使用大国であって、過剰なくらいの農薬が使われている。
この背景には、スーパーでは、形が良いもの、色が良いもの、大きさが揃ったモノしか売れないからだ。
長さや太さ、大きさがバラバラな野菜は、定番商品としては並ばず、特売用に出てくるくらいだろう。
こういうキレイな野菜を作るには、どうしても農薬が必要になるのだ。
特にほうれん草などの葉物野菜では、売り物の葉っぱを虫に食われると、商品価値がなくなってしまう。
こういう害虫を「食害性害虫」と言うが、蝶や害虫の幼虫(アオムシ、ヨトウムシ、ネキリムシ)や、ハムシという小さな黄金虫が、葉っぱをムシャムシャ食べてしまう。
ヨトウムシやネキリムシは、昼間は土の中に隠れていて、夜になって出てきて葉を食べたりする。
またハムシは、どこからでも飛んできて、葉や茎を食べてしまう。
そのため、様々な農薬(殺虫剤)が必須なのだ。
そして、野菜の作り方にも問題がある。
作物の病気や害虫を減らすには、日当たりや風通しを良くして、湿気がこもらないようにすれば良い。
害虫の中には、光を嫌うモノが多いので、陰が少ないところにはやってこないのだ。
そのため、農薬を減らすには、広い耕地で十分に間隔を開けて育てれば良い。
ところが日本の場合は集約農業で、狭い農地にギッシリ詰めて作物を栽培する。
そのため、田畑に陰が多くなったり、湿気が多くなったりするため、なかなか減農薬栽培は難しいのだ。
これが日本でなかなか減農薬が普及しない原因だろう。
広告
野菜や果物は、洗って食べるもの?
日本の農業は、集約農業と言って、狭い土地でたくさん栽培する方法だ。
集約農業は、限られた農地で作物を大量生産するため、化学肥料と農薬無しでは成り立たない。
無農薬野菜を、安い値段で、大量供給するなんて事は、日本では無理筋なのだ。
となると、賢い消費者としては、農薬の害を減らす方法を知らねばならない。
農薬の害を減らすには、
- 残留農薬が多めの野菜は避ける
- できるかぎり皮を厚くむいて食べる
- 野菜や果物を洗って食べる
残留農薬が多めの野菜というと、ほうれん草などの葉物野菜や、皮が薄い野菜・果物になる。
これをできるだけ避ければ、摂取する農薬の量は当然減るはずだ。
薄い皮の野菜や果物であれば、皮を厚めにむくというのも重要だろう。
野菜や果物の栄養は、皮に近いところにあるなどという話もあるが、残留農薬もその辺りにあるのだ。
また、農薬は野菜や果物の表面に付いていることが多いので、それを洗って食べれば、農薬は減らせる。
一般的な食器洗い用洗剤の用途には、「野菜、果物、食器」という風に書いてある。
つまり食器洗い用の洗剤は、実は野菜や果物を洗うための洗剤でもあるのだ。
野菜専用洗剤や果物専用洗剤には、貝殻素材の洗剤などもあるが、野菜や果物の表面に付いているゴミや細菌や農薬やワックスを、油と一緒に除去してくれるのだ。