豆料理の歴史
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世界各地には、様々な豆料理があって、様々な豆料理が食べられている。
豆料理は、米や小麦などの穀物を補完する栄養素を持っていて、食べ合わせに良い。
まず米や小麦などの穀物には、リジンなどの必須アミノ酸が少ない。
そのため、リジンが多い大豆などと食べ合わせることによって、アミノ酸バランスを良くできる。
タンパク質は、20種類前後のアミノ酸が数十から数百個つながってできているため、アミノ酸のバランスが悪いと、効率が悪いのだ。
また精白した穀物は、マグネシウムやカリウムなどのミネラルが少ないので、豆類でマグネシウムやカリウムなどのミネラルを補うことができる。
しかしアミノ酸バランスの善し悪しだとか、ミネラルの働きなどは、医学や生化学、栄養学の研究が進んだからわかったことで、穀物と豆を食べ合わせるという知恵は、どこから来たのだろう。
人類は、栄養学がなくても、穀物と豆類の食べ合わせが良いと気づいていたのか?って事になるが、実はそうでもない。
というのも、農業の歴史から言えば、米や小麦などの穀物をバクバク食べることができるようになったのは、ここ100年くらいのモノで、単に食べるモノが他にはなかったからだ。
穀物が大量生産される以前は、肉や魚介類、そして豆を食うのが伝統的な食事だった。
豆類と穀物を比べると、豆類の方が栽培しやすく、育ちやすかったのだ。
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豆は、暑さ寒さに強く、雨が少ない地域でも育つ作物だ。
根に根瘤(こんりゅう)というコブがあって、根瘤に根粒菌が住み着くと、根粒菌が空気中の水分や窒素から養分を作ってくれる。
植物の三大肥料というと、窒素、リン酸、カリ(カリウム)だが、根粒菌が空気中の窒素を固定して、豆の栄養となるのだ。
そのため、豆類はタンパク質が多く、栄養価が高い。
ただ問題は、豆はあまり味が良くなくて、積極的に食べたいモノではないこと。
肉や魚の旨みは油にあって、タンパク質は無味かマズい。
アルギニンなどは、鼻がひん曲がりそうな臭いと味だし。
また豆類は育てやすいが、穀物と比べて収量が少ないため、穀物が大量生産できるにつれて、生産量が減っていった。
穀物の生産が増えると、ジャガイモなどの芋類と豆類の生産が減るので、経済学的にはギッフェン財(下級財)ってことらしい。
つまり伝統的な食事に豆料理が多いのは、穀物に不足する栄養素を補う知恵というわけではなく、、単に他に食べるモノがなかったってことらしいね。