日本の農薬使用量は、世界一レベル
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以前、中国野菜が「毒菜」で、農薬まみれだと問題になった。
中国から輸入している落花生、ニンニク、ネギ、ほうれん草(冷凍野菜)に、日本の基準値以上の残留農薬があり、それで大騒ぎになったりした。
さらに中国で製造された餃子に、農薬が混入されていて、食べた人が食中毒を起こし、中国の農産物や食品は、危険だという認識が日本で広まった。
ところが実は、日本の農産物も、農薬まみれだという。
日本の残留農薬基準をパスしても、アメリカやEUの基準をクリアできず、アメリカやEUに輸出できないらしい。
農学部で学んだ者としては、常識も常識なんだけれど、日本の農業は農薬なしには成り立たない。
その原因として、よく挙げられるのが
- 高温多湿な気候
- 栽培作物の違い
- 農法の違い(集約的農法)
高温だと、雑草が生えやすいので除草剤。
多湿だと、害虫が発生しやすいので殺虫剤。
ゴボウなどの根菜を作る前には、土壌消毒剤。
水田なども、ヒエなどが生えないように、除草剤を撒いてから稲作を始めるという。
水田に生える雑草も、一年生雑草、多年生雑草など、様々な種類があるが、五穀の一つにも入るヒエまで雑草扱いして、何種類も除草剤を使っているのが日本の稲作だ。
農薬使用量の国際比較
上は、2005年のデータだが、日本はこれでも1990年と比べて、2割くらい減っているのだ。
オランダも90年には日本と同じくらいの農薬大量使用国だったが、15年で農薬使用を半分に減らしている。
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日本の農薬使用量は異常に多い
日本の国産農作物は、残留農薬が多すぎて、アメリカやEUに輸出できない。
農薬の過剰使用で、とてもじゃないが安心できるレベルではないという。
では、どういう農薬がたくさん使われているのか。
農薬は大きく分けて、3つのタイプに分かれる。
- 害虫の繁殖を防ぐ殺虫剤。
- 病気などを防ぐ殺菌剤。
- 雑草の繁殖を防ぐ除草剤。
農薬の内訳の国際比較
2005年のデータで比べてみると、日本の農薬使用量は、殺虫剤・除菌剤で1位、除草剤で2位となっている。
しかもこのグラフを見ると、3タイプの農薬とも、大量に使われていることが分かる。
EU諸国の中で農薬使用量が多いイタリアやオランダと比べても、殺虫剤の使用が異常に多い。
作物が虫に食われると、商品価値が落ちると思って、大量に殺虫剤を使うって事かも知れない。
ただしこれだけの農薬を耕地にぶち込んでいたら、国土の生態系が壊れるのも道理だし、残留農薬が先進国の基準の何倍もあるのも当然だ。
日本の農業は食糧不足を言い訳に、戦後何十年も、こういう農業を続けてきた。