コーペラティブ・チェーン・ブランドとは
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スーパーには独自で開発したプライベートブランドがある。
プライベートブランドというのは、メーカーの生産ラインの合間を利用して、安く作った商品ってことだ。
全国規模のスーパーやコンビニには、独自のプライベートブランドがあって、イオン系なら「トップバリュ」とか、ヨーカドー系なら「セブンプレミアム」などのブランドだ。
そして実は中小のスーパーにも、似たようなプライベートブランドがある。
たとえば「Vマーク」とか「CGC」とか、「くらしモア」「くらし良好」というブランドだ。
これらは、中小スーパーや準大手スーパーなどが、共同開発して販売している商品のブランドだ。
小売店が数社集まって協業することを、コーペラティブ・チェーン(Cooperative Chain)と呼ぶが、そのプライベートブランドである。
まず「Vマーク」というのは、関東の私鉄系スーパーのコーペラティブ・チェーン・ブランドだ。
Odakyu OX、京王ストア、リブレ京成、京急ストアそうてつローゼン、東急ストア、東武ストアで扱っている。
Vマークブランドの特徴は、これといってないが、たまに○○周年記念パッケージなどが出たりする。
私鉄系スーパーのコーペラティブ・チェーンだから、加盟私鉄の車両の画像入りパッケージだ。
これが鉄道ファンなんかには人気らしい。
次の「CGC」は、全国で200社以上が加盟している日本最大のコーペラティブ・チェーンだ。
加盟店に行くと、たまに「あなたもわたしもシージーシー」という歌詞の曲が流れていたりする。
CGCブランドの特徴は、地域ごとに拠点があって、地域独自の開発商品があることだ。
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ナショナルブランドそのままのプライベートブランドもある
プライベートブランドというと、味気ないパッケージが多い。
ナショナルブランドの商品には、目を引くデザインが多い。
他の商品に埋もれないように、それぞれの商品が自己主張している。
一方、プライベートブランドは、値段の安さを訴求しているので、プライベートブランドであることを示すため、共通の似たようなパッケージになっている。
プライベートブランド独特の、ダサいパッケージは、そのためにあるわけだな。
ただしナショナルブランドのパッケージをそのまま利用しているPBもある。
それが「くらしモア」と言うブランドだ。
これは日本流通産業(ニチリウ)という、コーペラティブ・チェーンのブランドだ。
「くらしモア」ブランドの特徴は、普通の商品に「くらしモア」のロゴを入れただけのタイプの商品があることだ。
ナショナルブランド商品のパッケージに、ロゴだけ入れて特別仕様にしているのだ。
たとえば「味の素の冷凍餃子」に、「くらしモア」という赤いロゴが入っている。
マルちゃんの低価格カップ麺だとか、日清の低価格カップうどんに、よく見ると赤い小さなロゴが入っている。
なのでこれがプライベートブランドだとはなかなか気づかなかったりする。
これは「カニバリゼーション(共食い)」で利益を減らさなくても良い方法かも知れない。
大手食料品メーカー側から見れば、プライベート・ブランドのOEM供給は、工場の稼働率を保つために、非常に魅力的な提案である。
しかし自社商品の売れ行きが落ちるような、プライベートブランド商品は供給したくない。
なので自社の既存商品のパッケージを、ちょっと変えるだけで、年間の販売数量が確保出来るなら、食い合いもなく一石二鳥かも知れない。