オーガニックとは
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スーパーで売られている卵にも、栄養価が高い卵と、栄養価が低い卵があるという。
栄養価が高いとか、滋養強壮に良いとか、いろんなセールス・アピールがあるが、何を差してそう言っているのかは、良く調べた方が良い。
卵について書かれた本やホームページもたくさんあるが、明らかに間違っている事を堂々と書いていたりするので、要注意だ。
卵に関して言えば、「卵の殻の色は、羽根の色と同じ」ということを言う人がいる。
これはもう明らかな間違いで、ちょっと調べたらすぐに分かることだ。
確かに白い羽根の白色レグホンは白いタマゴを産み、茶色い羽根のロードホーンは茶色い卵を産む。
しかし、かつて採卵用に飼育されていた黒色ミノルカ種は、羽根は真っ黒だけど、白いタマゴを産むのだ。
これは昔から鶏卵ビジネスをしている人にとっては当たり前の知識だから、羽根の色と卵の殻の色が同じだと言う人は、テキトーなことを言う人だと思ってよい。
大雑把に言うと、地中海周辺が原産地である鶏は白い卵を産み、その他の鶏は有色卵を産む傾向があるらしい。
北米の品種はピンク色や茶色っぽいタマゴを産み、南米のアローカナという品種は、青白いタマゴを産むニワトリもいるようだ。
また、卵の殻の色と、栄養価値は特に関係が無い。
日本では、赤玉は少数派なので、何か価値がありそうに見えたりするが、品種が違うので、風味が多少違うだけだ。
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さらに卵の卵黄の色も、さほど意味は無い。
鶏卵の栄養価や卵黄の色は、エサによってある程度は変えられるので、大同小異だ。
となると、ちょっと奇妙な卵がある。
「オーガニック卵」と呼ばれる、謎の卵だ。
実はこれは、ニワトリに与えるエサをオーガニック飼料にして、さらにフリーレンジ方式(FreeRange:平飼い)で飼った鶏の卵のことだ。
一般的に、採卵鶏は、卵を産める時期になると、狭いケージに閉じ込められて、タマゴを産むように仕向けられる。
病気にならないよう、抗生物質などを配合した飼料を与えられる。
ニワトリを狭いケージに押し込む飼い方は、ニワトリの健康に良くないし、そんなニワトリの卵は食べたくないと思う消費者も多いはず。
そう考えた養鶏業者が、ニワトリを狭いケージに押し込めない養鶏場を建て、そこで採卵した卵をオーガニック卵と名付けて売っているのだ。
フリーレンジ方式というのは、ニワトリが自由に動き回れる広いケージを建て、その中に、タマゴを産みやすい暗室が設けられている。
タマゴを産みたくなったニワトリは、暗室に入ってタマゴを産み、卵をベルトコンベアで運び出すという仕組みだ。
日本の平飼い方式は、単なる地べたでニワトリを飼うので、産んだタマゴを人間が拾って回らないといけない。
しかしフリーレンジ飼育では、タマゴを産む場所、寝る場所、歩き回る場所という風に、ニワトリを誘導するように工夫されている。
単なる平飼いではなく、様々な工夫によって作っているのがオーガニック卵だと言うことらしいね。