廃棄ロスと見切りタイミング
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見切り品ハンターとは、スーパーで値引きシールが貼ってある商品目当てにお店にやってくるお客さん達のことだ。
バーゲン品だけ買って帰るチェリーピッカーに似ているが、お店が処分してしまいたい商品を買ってくれるという点では、助かる存在だ。
前回も書いたが、見切り品には、その当日に売り切ってしまわないと、廃棄処分にせざるを得ない商品も多い。
お店側としては、廃棄処分にすると全損になるので、半額でも現金化できるのなら良しというところだ。
前にも書いたが、お刺身などは、その日のうちに売り切ってしまわないと、全部廃棄処分しないといけない。
廃棄といっても、実際は、回収業者が回収していって、豚のエサになったり、肥料になったりと、様々なリサイクルが行われる。
この場合、大抵は無料で持っていってもらえることも多いが、回収費用を払わねばならないケースもあるので、さらに廃棄費用がかかる。
どっちにしても、スーパーの帳簿上は全損扱いになるから、無視できない。
金額的には、商品を山ほど万引きされたのと同じくらいの損になってしまうしね。
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前回、お刺身の大量廃棄の話を書いたが、値引きシールを貼るタイミングが悪いと、こういうことが頻発する。
お刺身の大量廃棄は、いろんな悪条件が重なって起こったものだ。
どういう悪条件かというと、
- 日曜日でたくさんのお客さんが来る予定だった
- チラシにデカデカと刺身パックを載せていた(集客商品)ので、普段より数量を多く作った
- 刺身を作る職人さんは、午後5時に作業を終えて帰る契約だった
- 夕方から雨が降り出し、予想外に土砂降りになった
- 夜は小降りになったが、お客さんは来なかった
といったことだ。
集客商品の場合、夜までに品切れになるといけないので、お刺身パックを夕方までに大量に作っておかねばならない。
職人さんは5時に帰るし、大量に作るため、お刺身を作る数量は3時半くらいまでに決めねばならないという事情があった。
なので雨が酷くなりそうだと分かった時点で、鮮魚担当社員は、パックの制作数量を減らす判断をしたり、値引きシールを貼るタイミングを早める必要があった。
ところがコレをしくじって、お客さんがほとんど帰ってしまってから、値引きシールを貼りだしたらしい。
お客さんがいなくなってから安売りを始めてもねえ。
もちろん雨の日でも、見切り品ハンターは来るのだけれど、さすがにそんなにたくさんの見切り品は買わないし。