ABC分析とは
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スーパーの品揃えなどに使われる分析方法には、ABC分析とRFM分析がある。
ABC分析というのは、商品管理でよく使われる分析法で、どれくらい在庫を持つべきかを決めるときに利用する方法だ。
ABC分析では、商品の売り上げ金額を商品ごとに多い順番に並べて、3つのランクに分ける。
たとえば売り上げ金額の上位10%を占める商品をAランク、次の20%の商品がBランク、残りがCランクだ。
そしてAランクの商品は、在庫が絶対になくならないように、細心の注意を払って在庫管理を行う。
スーパーであれば、卵とか牛乳だとか、毎日大量に売れる商品は、Aランクの商品だ。
Aランクの商品は、例え特売をして、店頭では売り切れになったとしても、翌日の午前中に売れるくらいの最低限の個数だけは裏に確保してある。
というのも翌日入荷予定の商品であっても、予定時刻に商品が入らないことは、毎年、何回かは起こるからだ。
大雨だったり大雪だったり、事故で高速道路が不通になったり、製造工場が何らかの理由で止まっていたり。
スーパーに並んでいる卵や牛乳、豆腐などは、意外に遠いところで大量製造されていて、高速道路を使って運ばれてくるので、幹線道路が渋滞すると、必ず影響を受ける。
それがよく分かるのが、災害発生時だ。
たとえば阪神淡路大震災が起こったとき、京阪神の多くのスーパーから、牛乳や豆腐が消えた。
というのも被災した神戸市や西宮市は、食品工場がたくさんある地域だったからだ。
多くの食品工場が被災して稼働出来ず、しかも名神高速道路直通だった阪神高速道路の橋げたが落ちて、商品があっても搬出できなくなったのだ。
これは東日本大震災の時も同じで、食品工場が多い北関東から品物が届かず、関東のスーパーからいろんな商品が消えた。
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二八の法則(パレトーの法則)
震災のような大災害があったときは、スーパーに商品がなくても、お客さんは勘弁してくれる。
しかし震災のような大災害でなくても、ちょっとした事故で物流が滞ると、発注していた商品が予定時刻に届かないということは日常茶飯事だ。
だからAランク商品は品切れを避けるために、翌日の朝に出す分くらいは、前の日にバックヤードに用意されている。
また、Aランク商品の次に売れているBランクの商品も可能な限り店舗内に在庫ストックを置いている。
というのも売れ筋の30%の商品が、売り上げの70%を占めているからだ。
これは「二八の法則」だとか、「パレートの法則」などと呼ばれるモノで、商品点数が多ければ多いほど、当てはまる法則だ。
こういう風に在庫量を設定する理由は、在庫を持つためのスペースがあまりなく、賞味期限がある商品が多いからだ。
スーパーに置いてある商品は、たいてい賞味期限があるし、賞味期限前の決まった時期までに、売れると予想出来る分だけしか置けない。
賞味期限が近い商品は、大幅に値引きして売らないといけなくなるし、生ものなどは廃棄処分になってしまう。
なので、優先順位に従って在庫を置くことにすると、Cランクの商品というのは、週にいくつか売れる程度だとか、月にいくつか売れると言う程度だから、棚に並んでいるだけで、裏には在庫がないことが多い。