コシヒカリBLとは、コシヒカリの雑種で、別の品種
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コシヒカリとは、現在、日本で美味しいとされている銘柄のお米だ。
コシヒカリは、新潟県生まれで福井県育ちの品種で、「越の国(こしのくに)に光をもたらす」という願いを込めて名付けられた。
ところがこのコシヒカリ、現在は数種類の品種があって、微妙に違うお米になっている。
一番ハッキリ違うのが、新潟県産のコシヒカリと、その他の都道府県産のコシヒカリだ。
新潟産コシヒカリは、コシヒカリBL(ビーエル)という品種で、コシヒカリを元に作り出された、新しい品種なのだ。
新潟では、2005年から、この新しいタイプのコシヒカリBL種に切り替わっていて、年度毎に栽培される品種の比率が異なっている。
というのもBLというのは、「いもち病抵抗性系統」(Blast resistance Lines:ブラスト・レジスタンス・ラインズ)と呼ばれる品種群だ。
いもち病に弱いコシヒカリを品種改良するために、様々な他のお米の品種と掛け合わせたモノがBLで、BL1号からBL11号まで作られている。
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コシヒカリは、肥料が多いと生長しすぎて、倒伏(とうふく)する。
倒伏というのは、茎が折れて倒れるということだ。
また、いもち病に弱く、いもち病でイネが全滅するリスクもある。
そこで、いくつかの別品種と掛け合わせて、いもち病で全滅しないように抵抗遺伝子を組み込んだ品種を数種類作り出した。
コシヒカリBL(新潟版)の種類の例
- BL1号…ササニシキとの交配種
- BL2号…トドロキワセとの交配種
- BL5号…越ミノリとの交配種
- BL11号…BL2号とBL7号との交配種
交配種だから、遺伝子的にはコシヒカリの純系ではなく、コシヒカリの雑種だ。
これらのコシヒカリの雑種を栽培したものが、今スーパーで売られている新潟県産コシヒカリだってことだ。
しかし新しい品種(雑種)なのに、なぜコシヒカリを名乗っているかというと、これはもうビジネス上の都合で、コシヒカリの知名度を維持したかったという、ただそれだけだろう。
iPhone5もiPhone7もiPhoneであることには間違いないから、コシヒカリの改良種であるコシヒカリBLも、コシヒカリファミリーだと言えば、まあそれでも良いかという感じかな。
ただこれは、コシヒカリを生み出して広めたの新潟県だから許されることであって、他の県でコシヒカリの新品種を作った場合は、微妙なところだな。
因みに2015年度は、BL1号が10%、BL2号が20%、BL3号が35%、BL11号が35%という栽培比率で、数年ごとに構成比率を変えていく手はずだ。
新潟県以外でも、コシヒカリBL種は色々作られていて、これらを組み合わせて栽培したものをコシヒカリIL (Isogenic Line) と呼ぶ。