美味しいところだけ、つまみ食いするお客さん
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チェリーピッカーとは、サクランボだけ摘まんで買っていくお客さんのことだ。
サクランボだけ買っていこうが、他のモノを買おうが、お客さんの勝手だから、どうでも良いワケだが、この「チェリー」というのは、特売品の事を指す。
つまりチェリーピッカーというのは、特売品目当てでお店にやってきて、特売品だけ買って帰るお客さんという意味で、一種の隠語だ。
チェリーピッカー以外にも、バーゲンハンターというような言い方もするね。
チェリーピッカーは、スーパーにとっては微妙なお客さんだ。
お客さんが多いと、店が賑わっている感じがして良いのだけれど、チェリーピッカーは見せに利益を落としてくれない。
バーゲン品というのは、集客のために安く売っている商品なので、売れてもほとんど儲からないような価格設定になっている。
そのため、バーゲン品だけ買って行かれると、手間だけ増えて利益が残らないのだ。
商売としては、1円でも利益が出るならやれ!と言うことになるのだろうが、実際問題として利益1円では赤字になってしまう。
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またバーゲン品は大量に仕入れて大量に売るので、バーゲン品に人員をとられると、サービスの低下を招いてしまう。
従業員もバーゲン品の品だし(補充)が大変だし、バーゲン品を置いてある場所を、お客さんに尋ねられることも多いので、客対応が忙しくなる。
その分、他の商品の品出しや、他のお客さんの対応が疎かになるので、売り損ね(機会損失)が発生したり、お客さんの対応が杜撰になってしまう。
だったら、バーゲン品をドーンと店の入り口付近の、よく見えるところに山ほど積んでおけば良いのでは?とも思ったりするが、それもできない。
と言うのもお店側としては、バーゲン品を店のあちこちに積んで、お客さんに店の中を買い回りしてもらいたいのだ。
お客さんには、野菜売り場、日配売り場、魚売り場、肉売り場、と言う風に、店内を一周して、バーゲンでない商品も併せ買いしててもらいたい。
つまり利益がほとんど無いバーゲン品で集客して、併せ買い・ついで買いの品物で利益をいただきたいという事だ。
そのためには、バーゲン品だけを玄関口に一カ所に集めておくわけにもいかない。
一カ所にまとめておくのであれば、お店の奥の方に並べると言うことになるだろう。
と言うわけで従業員は、バーゲン品のありかを尋ねてくるお客さんを、バーゲン品の置いてある場所まで案内する仕事が増える。
従業員はどうしてもバーゲン品に関わる作業が増えるため、チェリーピッカーが多いと、その分、一般のお客さんに対するサービスが疎かになってしまう。