前陳(ぜんちん)、前出しとは

前陳(ぜんちん)」や「前出し」とは、商品棚の商品を、奥の方から前に出してキレイに並べることだ。

 

スーパーに行くと、陳列棚にキレイに商品が並んでいる時と、そうでない時がある。

 

商品がキレイに並んでいるときは、前陳が終わったあとだ。

 

お昼前後や、夕方から夜にかけて、お客さんが商品をドンドン手にするため、陳列棚はあちこち凹んだ状態になっている。

 

なので従業員は、繁忙時の後に、棚の奥の方から手前に出し、商品名が分かるように表向きに揃える。

 

これが「前陳」とか「前出し」と呼ばれる作業だ。

 

前陳は、品出し(商品補充)の際や、アウト取り(賞味期限チェック)の際にも行うが、前陳のみ行うこともよくある。

 

でもなんで、前陳するの?



 

目に入らない商品は、存在しないも同然

前陳

 

前陳は、「フェイス面」と呼ばれる、商品の顔を前に出して並べる作業だ。

 

商品を補充する際には、棚に詰められるだけ商品を詰めて、前から2列くらいだけフェイス面を表に向ける。

 

商品をわざわざ裏向けて棚に入れるようなことはしないが、棚に詰めているときに裏向きになっても、とくに表向きにはしない。

 

というのも、そんなことをやっていたら、作業がいつまで経っても終わらないし。

 

どのみち、棚の奥の方の商品は、お客さんの目に入らないことも多いし、お客さんが商品を触っている間に、裏向きになったりもするので、奥の方は揃えない。

 

ただ、2列目くらいまでは、しっかりフェイス面を表に向けて、何の商品なのかをアピールする。

 

そして、お客さんが手に取りやすくなるように、前に出して揃えるのだ。

 

お客さんの目に入り、手にとってもらわないと、買い物カゴには入れてくれないし。

ボリューム陳列で、売りたい商品をドーンとアピール

ボリューム陳列

 

スーパーでは、商品の並べ方が売上げに大きく影響する。

 

売りたい商品は、ドーンと山積みにしたり、フェイス数を多くして、存在感をアピールする。

 

これを特に「ボリューム陳列」と呼ぶ。

 

ボリュームとは「量」ってことで、特定の商品をドーンと積み上げて存在感をアピールするわけだ。

 

ボリューム陳列をする商品は、そのスーパーのバイヤーが大量に買い付けた商品だとか、大手メーカーが販促に大金を掛けているような商品だ。

 

社内のバイヤーが買い付けた商品のボリューム陳列は、従業員が山積みする。

 

一方、大手メーカーのボリューム陳列には、専門の業者がやってきて、ワッセワッセと積み上げる。

 

それでもって、遠くからでも見えるように、バベルの塔みたいに商品を積み上げる。

 

だいたい1週間くらいの契約で、一つの平台の上にプッシュアップ商品を並べる。

 

圧縮陳列で品揃えの多さをアピールする

圧縮陳列

 

逆に、品揃えの多さをアピールする場合は、「圧縮陳列」という方法を使う。

 

圧縮陳列とは、一つの陳列棚や陳列台に、多種類の商品をギュッと詰め込む陳列方法だ。

 

商品を横に何列並べるかを「フェイス数」と呼ぶが、1フェイスずつ商品を並べて、できる限り多銘柄を並べる。

 

人間の視野は限られているから、その限られた視野の中に、出来るだけたくさんの商品を入れることで、品揃えの広さをアピールするわけだ。

 

ドン・キホーテの商品陳列は、究極の圧縮陳列だね。

 

ただ圧縮陳列では、一ヶ月で1個も売れない商品も並べていたりする。

 

月に一個も売れないようなレア商品は、コンビニではすぐに廃版になって、店から消える。

 

しかしスーパーの場合は、賞味期限が長く、半年に数個売れるレア商品なら、並べておくことが多い。

 

というのも、そのレア商品を買ってるお客さんは、それを買うために遠くから来ているかも知れないからだ。

 

しかもレア商品は、値段も高めで安売りもしないため、利幅も大きい。

 

わざわざ遠くから来て、その逸品だけお買い上げになって帰るわけでもなく、他の高額商品も買って行かれることも多いので、そのレア商品を定番から外すわけにも行かないのだ。

 

コンビニでは、大きな店舗でも2,000アイテムから3,000アイテムくらいしか置けないが、スーパーでは十万アイテムくらい並べることも出来るし。

 

 

 

フェイス数は、多ければ良いというわけでもない

狭いコンビニでは、一つの商品のフェイス数は、1フェイスか2フェイスになっている。

 

コンビニの客数では、2フェイスもあれば十分だし、商品補充も簡単だし。

 

一方、食品スーパーでは、たくさん出る定番商品でも、横に並べるフェイス数は3から5つくらいにすることが多い。

 

横幅の広い商品は3フェイスまで、ソースやドレッシングのような縦長の商品は5フェイスまで、みたいな感じだ。

 

というのも、フェイス数を多くするとアピールは出来るが、他の商品が取りにくくなるからだ。

 

一つの商品が10個も横に並んでいたら、お客さんは別の商品を手に取るために、大きく横移動しなくてはならず面倒だ。

 

なので大量に売れる商品は、陳列台やエンドに山積みにしたり、腰の高さから下の棚に3段くらい並べたりする。

 

一つの棚に、同じ製品ばかり並べられても、欲しいのは1-2個だけだったりするしね。

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