キャッシュレジスターの歴史
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スーパーでチェッカーと言えば、レジ係のことだ。
レジでカゴに入った商品のバーコードをスキャンして、お金を受け取り、釣銭を渡す。
これがチェッカーの仕事だ。
今時は、高校を卒業した人なら、誰でもできるような「簡単な仕事」で、愛想が重要な感じになってきている。
しかし数十年前は、バーコードもなく、レジも手打ちで金額を打ち込んでいた。
40年前には電卓もまだ無く、機械式のレジが使われていた。
機械式のレジというのは、各ケタごとに9から0までの数字が縦方向に10コ並んでいて、それを押したあと、ハンドルを回して計算した。
たとえば985円ならば、百の位の900のボタンを押して、十の位の80のボタンを押して、一の位の5のボタンを押して、最後にハンドルを一回転すると、合計金額が機械的に変わる仕組みだった。
機械式なので、一々ガチャガチャ音がしたし、ハンドルがなくなって電動式になっても、基本的には同じでうるさかった。
電子回路で計算などを行う電子式キャッシュレジスターが登場したのは、1971年のことで、アメリカのNCR社製だった。
これは今で言う電卓のようなモノだが、値札を見て金額を打ち込むのは同じだった。
そのため、レジ係も修練が必要で、値札を一々読み上げながら、金額を打ち込んでいた。
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電子式レジと、バーコード
キャッシュレジスター(レジ)が、電子式になったのは、意外にも1970年代になってからだ。
というのも今のように、ICやLSIといった、半導体集積回路部品は、70年代になってようやく実用化され、電子計算機が使われ始めたからだ。
そしてICやLSIといった電子部品が、安価に大量生産出来るようになり、レジもマイコン制御の電子式になった。
一方、1960年代後半から、値札を読み取る光学認識システム(OCR)の開発が始まり、1978年には、日本でも商品JANコード(バーコード)が制定された。
これによって、メーカー品には必ず商品バーコードが付くようになり、スキャナでバーコードを読みとれば、商品名と価格が自動的にレジに打ち込まれるようになった。
1984年には、セブンイレブンなどで、POSレジが導入され始め、1990年代には、殆どのスーパーに、スキャナー式のレジが導入された。
これによってチェッカーさんも商品の値段を読み上げ、何千回・何万回とレジのボタンを押すという重労働から解放された。
商品に値札を貼るという作業も大幅に減り、品だし陳列も簡単になった。
現在は、お札も硬貨も自動で扱えるグローリーやNECや東芝テックの「自動釣銭機」を導入しているスーパーも増え、レジ係がいない無人レジも登場した。