食品の知識と注意点(米・豆・野菜)記事一覧

スーパーに並んでいる商品には、ナショナルブランド(NB)と、プライベートブランド(PB)がある。ナショナルブランドというのは、たとえば「日清食品のカップヌードル」だとか「ハウス食品のバーモントカレー」だとか、「コカコーラ」「味の素の餃子」などといった、全国規模で展開している商品のブランドだ。テレビでもCMが流れているような商品で、日本のスーパーならたいてい並んでいる。大量生産品なので、品質も同じで...

1960年頃から世の中に出始めたプライベートブランド。プライベートブランドとは、小売店が独自に開発して、自社店舗で販売している商品のブランドのことだ。たとえば1960年代に、日の出の勢いで出店攻勢をかけていたスーパーのダイエーでは、キャプテンクックというブランドを作り、自社企画製品を製造販売していた。当時の日本は高度経済成長期で、人口はどんどん増え、住宅地も広がり、スーパーもどんどん増えていた時代...

スーパーには独自で開発したプライベートブランドがある。プライベートブランドというのは、メーカーの生産ラインの合間を利用して、安く作った商品ってことだ。全国規模のスーパーやコンビニには、独自のプライベートブランドがあって、イオン系なら「トップバリュ」とか、ヨーカドー系なら「セブンプレミアム」などのブランドだ。そして実は中小のスーパーにも、似たようなプライベートブランドがある。たとえば「Vマーク」とか...

日本の大手スーパーチェーンが、プライベートブランドを始めたのは、1960年代から70年代だ。さらに力を入れ始めたのは、1980年代かららしい。たとえば売上高1兆円を達成した、最大手スーパーのダイエーは、乱立していたプライベートブランドを改め、「セービング」に統一して、プライベートブランドを確立しようとした。それまで、ダイエーカラーのオレンジ色の安っぽいロゴとパッケージだった商品を、黒い四角形にSの...

流通業界には、色々不思議なことがある。たとえば8月のお盆を過ぎると、コンビニに、おでんが並び始める。夏真っ盛りの暑い時期に、なんで冬の食べ物である「おでん」が並ぶのか。これは誰しも不思議に感じる陳列だろう。スポーツクラブなどの会員制ビジネスなら、施設や準備が整う前、オープンの3ヶ月前からオープンを告知して、会員を募集したりするから、おでんの陳列も多少早めということなのか?それにしても様子がおかしい...

近年、スーパーの野菜売り場で変化が起こっている。というのも工場で作られた野菜に、人気が出てきたのだ。以前は露地物の野菜が人気だった。九州や北海道などの野菜の大生産地で、豊かな大地で育った国産野菜が、長らくイチバン人気を誇っていた。そのため、中国などからの輸入野菜の5割以上高い値段でも、国産野菜はしっかり売れていた。ところが近年、こういうどっしりした国産野菜を嫌う消費者も増えてきたらしい。というのも...

鯖(さば)寿司といえば、関西で人気の寿司だ。ただ、鯖寿司と言ってもサバを使った寿司は色々あって、かなり違う。大阪でサバを使った寿司と言えば、まず「バッテラ」だ。バッテラというのはポルトガル語で「小舟」という意味だそうだが、小さな小舟のような寿司と言うことらしい。バッテラでは、サバを酢で締めた「生ずし(きずし)」を酢飯の上に乗せて作る。押し寿司用の枠に酢飯を入れて、その上にサバの生ずしをのせ、最後に...

関西で鯖寿司というと、バッテラと棒寿司の2種類がある。バッテラというのは大阪の押し寿司で、鯖の身の上に白板昆布を貼った四角い寿司だ。バッテラは、昆布を剥がさずにそのまま食べる。一方、棒寿司というと、京都の寿司で、サバの半身に練った酢飯を併せた寿司だ。京都の棒寿司にも昆布は巻かれているが、食べるときは昆布を外して食べる。この二つの鯖寿司を比べると、鯖の身の厚みが全然違う。バッテラで使われている鯖の身...

現在、日本国内で流通しているサバの半分は、ノルウェー産のサバだという。スーパーで売っている鯖の7割が、ノルウエーなど北欧からの輸入だという説もある。ノルウェーというと北欧の漁業国だが、ノルウェーが輸出している鯖の半分くらいが日本に輸入されているのだという。国内の水産加工業者も、国内産のサバよりも、ノルウェーの冷凍サバを材料に使っているらしい。日本近海でも鯖はたくさん獲れるのに、なんでまたノルウェイ...

コシヒカリとは、現在、日本で美味しいとされている銘柄のお米だ。コシヒカリは、新潟県生まれで福井県育ちの品種で、「越の国(こしのくに)に光をもたらす」という願いを込めて名付けられた。ところがこのコシヒカリ、現在は数種類の品種があって、微妙に違うお米になっている。一番ハッキリ違うのが、新潟県産のコシヒカリと、その他の都道府県産のコシヒカリだ。新潟産コシヒカリは、コシヒカリBL(ビーエル)という品種で、...

ササニシキと言えば、20世紀後半に大人気だった、お米のブランド銘柄だ。かつては「ササ・コシ」と呼ばれ、コシヒカリと人気を二分していた。ところが最近は、ほとんどのスーパーでササニシキは売られていない。というのもササニシキは現在、あまり栽培されていないからだ。ササニシキは元々、宮城県で1981年に開発された品種だったのだが、1993年の大冷害でことごとくダメになってしまった。いもち病に弱いのはコシヒカ...

お米にも様々な品種がある。今から30年くらい前の1990年頃は、コシヒカリとササニシキという2大銘柄が人気だった。コシヒカリは、アミロペクチンが多いモチモチ系のお米で、大人気になった。一方、ササニシキは、アミロースが多い硬めのお米で、寿司のシャリや炒飯やカレーなどといった料理に適していた。ところが、1993年の大冷害で、ササニシキが大凶作になってしまった。その結果、ササニシキのかわりに、ひとめぼれ...

赤飯の豆と言えば、子供の頃からずっと小豆だと思ってました。でも実は、赤飯に使う豆って、地域によって違うンですね。関西では小豆を使うことが多いようですが、関東では「ササゲ豆」が使われます。一説によると、小豆は煮ると割れやすくて切腹をイメージするので、ササゲ豆になったと言われているようです。また北海道や青森では、小豆の代わりに甘納豆を入れるようです。さらに新潟の長岡で作られている「しょうゆ赤飯」では、...

しょうゆ赤飯や甘納豆赤飯という赤飯も存在する。赤飯と言えば、モチ米と小豆で作り、ごま塩をかけて食べるのが、世間一般の赤飯だと思っていたが、そうでもないらしい。というのもモチ米と小豆で作った赤飯は西日本では定番の赤飯だけれど、恐らくそれは小豆の産地が西日本だったからだろう。小豆の大産地は、今でこそ北海道になっているが、以前は兵庫県の丹波(たんば)だとか、岡山県の備中(びっちゅう)が有名な産地だったし...

納豆は、今やどこのスーパーでも、定番商品だ。私は関西人なので、納豆を毎日食べるような習慣がない。関西では、納豆と言えば、甘納豆の方が有名で、大豆を納豆菌で発酵させた糸引き納豆は、さほどメジャーではない。しかし調べて見れば見るほど、納豆というのは優秀な食品で、健康に良い。まず第一に、大豆を丸々食べる食品であることだ。豆というのは、伝統的な食料では、非常に重要な食品だ。というのも米や小麦、トウモロコシ...

我々の肉体は、タンパク質と脂肪と水分でできている。そしてタンパク質は、アミノ酸という成分が数十個連結してできている。アミノ酸の組み合わせによって、様々なタンパク質が作られ、筋肉になったり、皮膚になったり、内臓になったりする。皮膚を作っているのは、コラーゲンというタンパク質だ。また骨も実はコラーゲンタンパク質が骨格を作っており、そこにリンやカルシウムがはめ込まれる。なのでタンパク質が不足すると、骨も...

たんぱく質は、アミノ酸という物質がたくさん連なってできている物質だ。アミノ酸のつながり方によって、皮膚や骨のコラーゲンになったり、免疫グロブリンになったり、様々なタンパク質が造られる。アミノ酸が2~3個つながったモノを特に「ペプチド」と呼ぶが、それ以外はもう何十個も何百個もアミノ酸がつながって様々なタンパク質になるのだ。そのため、材料となるアミノ酸が揃っていないと、タンパク質が造れなくなってしまう...

世界各地には、様々な豆料理があって、様々な豆料理が食べられている。豆料理は、米や小麦などの穀物を補完する栄養素を持っていて、食べ合わせに良い。まず米や小麦などの穀物には、リジンなどの必須アミノ酸が少ない。そのため、リジンが多い大豆などと食べ合わせることによって、アミノ酸バランスを良くできる。タンパク質は、20種類前後のアミノ酸が数十から数百個つながってできているため、アミノ酸のバランスが悪いと、効...

納豆を食べると、どういう良いことがあるのか。納豆の効用としては、様々なモノが挙げられているが、怪しい話も多い。納豆の食べ方も、何百回もかき混ぜた方が良いとか、熱々のご飯に載せて食べると、納豆の酵素が死滅するとか、なんだコレ?という事が書かれていたりする。酵素が死滅するって…、酵素って生き物じゃないのだが。酵素は酵母から作られる触媒の一種で、物質的には単なるタンパク質だから、熱で壊れることはあっても...

スペルミジンは、ポリアミンの一種で、納豆に多く含まれる注目物質だ。というのもスペルミジンは、寿命を延ばす栄養素として今注目されているからだ。動物実験では、スペルミジンを与えたラットは、寿命が25%も伸びたという。人間で言えば、80歳の寿命が100歳に延びたというイメージらしい。

納豆には、健康に良い特別な成分が色々含まれているという。ただそういう成分は喧伝されるわりに、あまりハッキリした研究結果が出ていない。ただ、そういう特別な成分がなかったとしても、納豆というのは良い食品だ。たとえば、食物繊維が多くて、しかも水溶性と難溶性の両方が含まれている。また血液を凝固させるのに重要な役割をする「ビタミンK」を多く含んでいる。ビタミンKは、葉野菜や鶏肉などに含まれていて、特に不足し...

納豆は、食物繊維を多く含む食品だ。食物繊維というのは、人間が消化できない炭水化物の事で、セルロースとか、ペクチンとか、様々な種類がある。水溶性の食物繊維は、血糖値の上昇を抑え、不溶性の食物繊維は腸の運動を促進させる。納豆は、水溶性と不溶性の食物繊維の両方を含む、数少ない食品だ。この食物繊維は、20世紀後半までは、身体に吸収されるわけでもなく、特に何の役にも立たないものだと考えられていた。それどころ...

腸内細菌は、食物繊維をベースとして、様々な役割を担っている。単に人間の腸内に住んでいるだけではなく、食物を分解し、有用な化学物質を生み出している。たとえば、腸内細菌は、食物繊維を消化したり、短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)を作り出す。短鎖脂肪酸はMCTオイルと呼ばれる油で、吸収されてすぐにエネルギーに変わる脂肪だ。脂肪は普通、脂肪酸に分解されて、リンパ管から吸収されるのだが、短鎖脂肪酸は毛細血管から...

豆腐もスーパーで大量に売られている食品だ。豆腐は、豆が腐ったと書くが、実際は腐っているわけではない。そのため、豆腐という字を充てず「豆富」と表示している豆腐屋さんもあるようだ。豆腐にも、色々種類があるが、大きく分けると「木綿豆腐」と「絹ごし豆腐」の2系統に分けることが出来る。安売りされている事が多い充填豆腐というのもあるが、これは絹ごし豆腐の範疇だ。では、木綿豆腐と絹ごし豆腐、何が違うのか。豆腐の...

充填豆腐(じゅうてんとうふ)とは、スーパーやディスカウントストアなどで安売りされている豆腐だ。高級な豆腐は、一丁300グラムで100円とか200円もするが、充填豆腐なら一丁30円~50円くらいで売られている。そのため、充填豆腐はなんとなく怪しいニセ豆腐なんじゃないか?と思われることもある。たしかに充填豆腐は、僅かに苦みがあったりするね。なので食品添加物や、紛い物(まがいもの)がたくさん入っているん...

豆腐は、豆が腐ると書くが、実際は腐っているわけではない。しかし賞味期限は短く、三日くらいで賞味期限が切れる。そのためスーパーでは「デイリー食品(和デイリー)」のカテゴリーに入れられていて、毎日商品が配送されてくる。一方、充填豆腐の賞味期限は、普通の豆腐と比べると長くて、2倍以上ある。充填豆腐なら、1週間くらいは問題なく食べれるし、味も別に変わらない。同じ豆腐なのに、なぜ賞味期限が倍以上も違うかとい...

ここまで木綿豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐と3種類の豆腐の製法を説明してきたが、栄養価は同じなんだろうか?特にディスカウントストアで安く売られている充填豆腐の栄養価が、色々と気になるんだが。そう思ってちょっと調べて見た。充填豆腐の栄養成分 比較 その1※可食部100グラムあたり食品成分単位木綿豆腐絹ごし豆腐ソフト豆腐充てん豆腐焼き豆腐エネルギkcal7256595988水分g86.889.488.98...

みそ汁が、見直されている。みそには様々な健康効果があって、近年さらに様々な事が分かって来た。特に注目されるのが「美肌効果」。みそには、グルコシルセラミドという成分が含まれており、これが肌の保水力を上げてくれるらしい。とあるテレビ番組での実験では、みそ汁を毎日2杯飲むようにした女性の肌のきめが整い、保湿力も1.4倍になって正常化したらしい。グルコシルセラミドは、米やトウモロコシ由来、こんにゃく由来、...

前回、みそ汁の健康効果について書いたので、もう少し「味噌」の話を続ける。ご存じの通り、味噌には様々な種類がある。赤味噌、白味噌、こうじみそ、合わせ味噌。八丁味噌、信州味噌、仙台味噌、等々。いろんな味噌があるので、何がどう違うのか、中々分かりにくい。みそ汁の健康効果を期待するにしても、自分の期待に一番応えてくれる味噌はどれなのか。それを知るためにも味噌の種類は覚えていた方が良いかも知れない。味噌は材...

キノコは、健康に良いとされる。たとえば、きのこに多く含まれる「ベータグルカン」という成分は、免疫力をアップさせる効用があるとされている。グルカンは多糖類の一種で、オート麦のフスマ(全粒粉オートミール)やキノコの細胞壁に含まれる食物繊維だ。アメリカのFDA(食品薬品局)は、オート麦のフスマは心疾患のリスクを下げるとして、全粒粉オートミールを積極的に摂るように推奨していたりする。日本ではオート麦は一般...

近年、オートミールが人気になってきた。オートミールは、米国映画では定番の朝食で、その存在は日本でも100年以上前から知られていた。昭和天皇も、朝食にオートミールを食べる日を設けて、よく食べていたそうだ。このオートミールが、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で脚光を浴び、その健康効果が一気に知れ渡った。それ以前は、シリアル愛好家やお菓子作りに興味がある人、そして高タンパク...