ここからは食料品に関する基礎知識を紹介していくことにする。スーパー特有の安売り商品については、また別に紹介していく。まず最初は鶏肉の「ブロイラー」だ。スーパーに並んでいる一般の鶏肉が、「ブロイラー」と呼ばれる鶏だが、このブロイラーとは、どういう鶏か。実はブロイラーという品種はない。ブロイラーというのは元々「あぶり焼き」の意味で、あぶり焼きに適した小型の鶏をブロイラーと呼ぶ。肉用の鶏は成長すると、3...
食品の知識と注意点(肉類・卵・牛乳)記事一覧
鶏肉の部位にも色々ある。呼び方も様々で、地域によっても、年齢によっても、色んな呼び方をする。たとえば「正肉(しょうにく)」と書いてある鶏肉がある。正肉ってよく見るけど、一体どういう意味なのか?また関西では鶏肉を「かしわ」と呼ぶ場合がある。かしわって、部位なの? ニワトリの品種なの?手羽元、手羽なか、手羽先、手羽はし、と言う風に手羽にもいろいろあるようだけど、この違いは何?ささみ、せせり、もみじ、チ...
鶏肉には、部位によって、色んな呼び方がある。例えば、正肉(しょうにく)という呼び方がある。正肉と言われると、どこの肉だかよく分からないが、これは鶏モモ肉や胸肉の骨がついてない形の肉のことだ。鶏肉には、大きく分けて2種類あって、それは骨付きか骨付きでないかだ。鶏モモ肉といっても骨が付いたモモ肉(いわゆる「レッグ」)も売ってるし、骨なしの鶏モモ肉も売っている。鶏胸肉にも実は「手羽元付むね肉」というのが...
地鶏(じどり)とは、明治時代までに日本で飼育が始まった鶏の品種だ。日本で養鶏が始まったのは、いつからかハッキリしないが、かなり昔から飼われていたらしい。ただし様々な鶏を交配させて、盛んに品種を作り出したのは、江戸時代くらいからだと考えられる。三代将軍家光の頃には、水戸光圀が養鶏を始めたとか。また伊達政宗が仙台を開拓し、伊達藩を開き、そこで養鶏を始めたとか。八代将軍吉宗の頃には、浪人や下級武士たちが...
採卵用の鶏は「レイヤー」と呼ばれる。レイヤーは肉用鶏のブロイラーの対語で、「採卵用の鶏」と言うような意味だ。レイヤーで最も有名なのが「白色レグホン(レグホーンとも言う)」だ。白色レグホンは、真っ白な羽と、真っ赤なトサカでをもつが、痩せていて肉用には向かない。しかし年間300コ近くの卵を産むため、採卵用の品種として重宝されている。鶏肉生産に使われる品種(ブロイラー)は、白色コーニッシュのオス鶏と、白...
スーパーで売られている卵にも、栄養価が高い卵と、栄養価が低い卵があるという。栄養価が高いとか、滋養強壮に良いとか、いろんなセールス・アピールがあるが、何を差してそう言っているのかは、良く調べた方が良い。卵について書かれた本やホームページもたくさんあるが、明らかに間違っている事を堂々と書いていたりするので、要注意だ。卵に関して言えば、「卵の殻の色は、羽根の色と同じ」ということを言う人がいる。これはも...
鶏卵は、1個につき6グラムもタンパク質が摂れる、お手軽食品だ。タンパク質6グラムと、脂質6グラムが摂れるだけでなく、ビタミンAやビタミンD、ビタミンBも多い。鉄分や亜鉛分も多く、卵を10個も食べると、1日分の栄養素のほとんどが摂れてしまう計算になる。しかも炭水化物はほとんど含まれていないから、糖質制限が必要な人にも良い。鶏卵に含まれていないものとしては、ビタミンCや食物繊維などがあるが、それを除け...
卵は物価の優等生だと言われる。卵1コの値段は、40年くらい前と比べても、ほとんど値上がりしていない。私が子供だった昭和40年頃は、卵は個売りで1コ20円前後だった。スーパーマーケットができはじめた頃で、卵はまだ手売りで売っていたように思う。卵をを何個か買うと、茶色い紙袋に入れて渡された。それを割れないように持ち帰った。当時の買い物カゴは袋ではなく、丈夫な籐のカゴが主流だったから、割れやすい卵を紙袋...
生卵の賞味期限は、約2週間だ。これはサルモネラ菌による食中毒を、起こさないように決められている。サルモネラ菌は20度以上になると、急激に増殖し始めるが、食中毒を起こすほど増えるまで、2週間くらいは必要だという。なので殻を割らない状態で、冷蔵庫で保存しておれば、2-3週間は普通に食べることができる。理論値では、一ヶ月くらいまでOKだ。ただしこれは、生卵に関しての話で、茹でたり、一度殻を割ってしまった...
最近の食中毒の患者数ランキングは、1位がダントツでノロウイルスだ。ノロウイルスというのは、非常に強力なウイルスで、11月から2月の間に流行する。人の身体でも増殖するウイルスなので、流行し出すとなかなか防ぐ手立てがない。そして食中毒の原因の第2位と第3位は、サルモネラ菌と、カンピロバクター菌だ。サルモネラ菌は、集団食中毒で、良くニュースになっているので、耳にする機会も多い。しかしカンピロバクター菌っ...
4月から夏場にかけて多いのが、サルモネラ菌による食中毒だ。サルモネラ菌による食中毒は、たいていの場合、卵料理で起こる。卵料理だけでなく、卵を使って作ったケーキなども、サルモネラ菌の食中毒のリスクがある。サルモネラ菌は、鶏が持っていることが多くて、卵の殻や卵の中に住んでいる。そして20度以上になると、急激に増え始める。そのため、気温が上がり始める4月頃から、だんだんと活動が活発になって、夏にサルモネ...
豚肉は、今やなくてはならない食材だ。これはもちろん、中国や欧米でも同じだが、しかし豚肉の食べ方は、かなり違うという。というのも欧米では、豚肉というのは、ハムやソーセージ、ベーコンに加工して食べるものであって、保存食に位置づけられていたからだ。ヨーロッパの農業は「有畜農業」で、家畜を飼いながら穀物栽培も行う。しかし冬になると豚のエサがなくなるため、ハムやソーセージ、ベーコンなどに加工して、それを食べ...
アメリカ大陸からヨーロッパに、ジャガイモやトウモロコシなどといった、新作物が伝わって広まった。同時期にイギリスのノーフォーク州では、ノーフォークローテーションという、輪栽式(りんさいしき)農業が広まっていた。輪栽式農業というのは、一つの農地で4つ以上の作物を、順番に作っていくという農法で、大麦→クローバー→小麦→カブ(またはジャガイモ)と言う風に作物を作っていく。これによって、牛や鶏と言った家畜を...
三元豚(さんげんとん)とは、三つの品種を掛け合わせた一代雑種の豚だ。具体的には、ランドレース種(メス)×大ヨークシャー種(オス)×デュロック種(オス)と言う風に交雑種を作る。成長が早く、子豚をたくさん産むランドレース種(L)。赤みと脂身のバランスが良い大ヨークシャー種(W)。これらを交配させて生まれた交雑豚(LW)のメスに、肉質の良い米国原産のデュロック種(D)のオスを交配させる。こうして作られた...
肉を買うときによく分からないのが、細切れ(小間切れ)と切り落としだ。コマ切れと切り落としは何が違うのか、分かっているようで分からない。どちらも端肉だというのは分かるが、いったいどういう風に違うのか。これは、もう少し表示を思い出すと分かる。切り落とし肉の場合は、材料に使った切り落とした部位の名前が入っていることが多い。切り落とし肉の場合は、「豚もも肉の切り落とし」「豚ロース肉の切り落とし」などと言っ...
豚肉には、いろんな部位がある。どの部位が、どういう料理向きなのか、スーパーではどういう料理用にパックされて売られているのか、大まかに知っておくと良いだろう。まず豚肉は、表示上は、大きく分けて、「カタ」「カタロース」「ロース」「ヒレ」「バラ」「ソトモモ」「モモ」という7種類の表示で売られている。それぞれ特徴がある部位だけれど、大まかに言うと、きめが粗い部位と、きめが細かい部位に別れる。運動に関係ある...
牛肉の部位は、大きく分けるとロース・ロイン・ウデ・モモ・バラに分けられる。ロースというのは和製英語らしく、ロースト用(あぶり焼き用)の略らしい。硬い部位や筋が多い部位は、煮込まないと食べられないので、あぶり焼きで食べられるロース肉は、軟らかくて食べやすい肉だということだな。このロースという名称は、元々焼き肉屋で使われていた言葉が一般化したモノだと言うことらしい。柔らかい赤身の部位肉がロースで、上半...
肉牛の育て方は、大きく分けて二種類ある。それは「牧草肥育(グラスフェッド)」と「穀物肥育(グレインフェッド)」だ。肉牛はまず、生後1年間は牧草で育てられる。放牧で育て、大きな身体になる準備をする。このまま牧草で育てて出荷するのが、牧草肥育というやり方だ。牧草肥育で育てられた肉牛は、余分なエサを食べていないので、健康で脂肪が付きにくく、硬い赤身肉になりやすい。主に牧草肥育で牛肉を生産しているのが、オ...
成型肉とは、肉に手を加えた加工肉のことだ。牛肉の加工では、結着剤を使って、何枚かの肉をステーキのような形に成型して売るという方法があった。ファミリーレストランなどでは、こういう貼り合わせた加工牛肉を焼いて、格安ステーキとしてメニューに載せていた。ただし結着剤には、食品アレルギーを起こす可能性がある成分が含まれていて、問題になっていた。そこで最近は、安いが硬いオーストラリア産の赤身牛肉に、国産和牛の...
熟成肉とは、屠畜した枝肉を、低温の冷蔵庫で熟成させた肉のことだ。牛肉は、3週間以上熟成させないと、硬いし旨みが出てこない。なので熟成させるのは当たり前だが、いろんな事情から熟成が不十分な牛肉が出回っている。たとえば輸出用に作られる冷凍牛肉は、枝肉を熟成させる前に冷凍するため、硬くて旨みのない牛肉になる。というのも船便で大量輸送する場合、30日前後の日数がかかるので、1年以上保存可能な冷凍でしか運べ...
牛肉に関する表示には、生産地と品種がある。生産地とは、その牛が育てられた場所だ。アメリカで育てられた牛なら、米国産という表示になるし、オーストラリアで育てられた牛なら、オーストラリア産という表示になる。なので外国から連れてきた牛でも、日本で育てられた期間が長ければ、国産牛という表示になる。また品種というのは、簡単に言うと牛の血統のことだ。たとえば「和牛」という場合、次の四種類の血統が和牛になる。和...
和牛(わぎゅう)というのは、日本の牛ではない。明治時代以降に日本で品種改良された、ほぼ外国の牛のことだ。日本に古来からいた在来種の血も混じっているが、どれくらい在来種の血を引いているのかは、殆ど分からない。なぜかというと、日本に古来からいた牛の血統は、殆ど絶えてしまっているからだ。日本で飼育されていた牛というのは、食用として買われていたわけではない。日本の在来種は、牛耕(ぎゅうこう:土地を耕す)の...
牛丼や牛めしも、日本人にとって馴染みのある肉だろう。牛丼や牛めしは、安い値段でガッツリ食べれる丼として、人気がある。ところがこの牛丼や牛めしに使われる牛肉は、アメリカでは殆ど買い手が付かず、捨てられることが多い部位なんだという。というのも牛丼や牛めしに使われる「ショートプレート」という部位は、脂身が非常に多い。プレートというのは、バラ肉の一つで、カルビと呼ばれる骨付き三枚肉のすぐ近くの部分だ。この...
牛乳やヨーグルトは、デイリー部門の食品だ。デイリーというのは、スーパーに毎日配達されてくる食品で、青果や鮮魚、精肉以外のパンやケーキや豆腐などといった賞味期限が短めの食品だ。なので20年ほど前は、どのスーパーに行っても、牛乳は大量に陳列されていたし、様々な種類の牛乳が売られていた。しかし最近の牛乳売り場は、なんだか非常に寂しい限りで、スペースもあまり広く取っていない。もともと牛乳は、子供が飲んだり...
牛乳有害説の続き。牛乳を飲むと骨が弱くなるという説は、栄養学的に言うと、牛乳に含まれるカルシウムと、マグネシウムのバランスが悪いせいだ。カルシウムとマグネシウムのバランス(カルマグバランス)は、体内では2:1になっているため、カルシウムばかり多い食事を続けると、マグネシウム不足になってしまう。そのため、我々の身体は、骨の表面付近にストックしてあるマグネシウムを溶かし出して使う。これが続くと、骨が弱...
牛乳のデメリット、その3は、アレルギーだ。牛乳を飲むと、アレルギーが起こったり、下痢を起こしたりする。牛乳アレルギーは、3歳までの幼児の3%で起こり、3歳を超えると9割は治っていく。大人の牛乳アレルギーの発症率は、0.1%から0.5%程度だという。この牛乳アレルギーは、牛乳に含まれる、「アルファ・カゼイン」というリポタンパクが、引き金となって起こるアレルギーだ。リポタンパクというのは、脂質(リポ)...
チーズも、メジャーな乳製品だ。ただ牛乳やバターと違って、チーズは材料も作り方も様々で、色んなタイプがある。チーズの材料はまず、牛乳、羊乳、山羊乳などだ。また熟成や硬さの度合いによって、ソフトチーズ、セミハードチーズ、ハードチーズなどに分類される。青カビや白カビを使うチーズもあるし、チーズのタイプと種類チーズのタイプ特徴チーズ名フレッシュチーズ熟成させないチーズ、または、カルク熟成させただけのチーズ...
バターも、扱いを覚えておくべき食品だ。近年、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が身体に悪いことが分かり、トランス脂肪酸があまり含まれていないバターの人気が高まっている。が、バターもマーガリンも、油であることは同じだ。同じ油である以上、空気や紫外線によって、酸化して傷む。そのため、すぐに使わない分は、出来るだけ空気に触れないようにして、冷蔵庫や冷凍庫で保存しないといけない。バターは硬いので、常温保存...